最新記事

日本政治

安倍首相、加計問題の便宜指示否定「申請知ったのは今年1月」

2017年7月24日(月)13時43分

7月24日、安倍晋三首相(写真)は午前の衆院予算委員会で加計学園獣医学部新設に関して問われ、加計氏からの依頼の有無も、政府関係者への便宜指示についても、一切無いと否定した。写真は官邸で6月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

安倍晋三首相は24日午前の衆院予算委員会で加計学園獣医学部新設に関して問われ、加計氏からの依頼の有無も、政府関係者への便宜指示についても、一切無いと否定した。

加計学園が申請していること自体、今年1月に知ったと述べた。

山本幸三地方創生担当相は安倍首相とこの問題で個別に話をしたことは無いと述べたほか、萩生田光一官房副長官、和泉洋人首相補佐官も首相から加計学園の名前を挙げての指示はなかったと語った。和泉補佐官は前川喜平前文科省事務次官に面会した際の発言について圧力には当たらないとの認識を示した。

自民党の小野寺五典委員、民進党の大串博志委員の質問に答えた。

安倍首相は冒頭で「私の友人が関わる問題であり、国民からの疑念ももっともだ。今までの答弁でそうした観点が欠けていたことは率直に認める。国民目線で丁寧に説明したい」と述べた。

その上で「加計氏から、私の地位を利用して何かを依頼してきたことは一度もない。獣医学部新設について働きかけは全くなかった」と述べた。さらに「国家戦略特区諮問会議で岩盤規制の打破をスピード感を持って進めるよう言ってきたが、個別の指示は全くしていない」として、加計学園に便宜をはかったとの疑念を否定した。

首相は「加計学園が今治市で獣医学部新設を申請していることを知ったのは今年1月だった」と述べた。それ以前から国家戦略特区諮問会議での議論について申請は自治体単位であり、「今治市についても事業者は決まっていなかった」と説明、具体的な説明は聞いていなかったと述べた。

山本地方創生相は「この問題は私が陣頭指揮をとって全て判断・決断してやるべきものと認識しており、首相と個別に話をしたことも無く、指示もない」と述べた。また獣医師会との面談で、山本創生相が獣医学部新設は加計学園に決定された事を伝えたとの医師会側の記録について「この面談の目的は国家戦略特区諮問会議で獣医学部の新設が決まったことの報告であり、これまで新設に反対してきた医師会側の意見を聞くことだった。私からはほとんど発言していない」と述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 6

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中