最新記事

投資

仮想通貨が急騰、ビットコインを上回る人気銘柄も続々登場

2017年6月13日(火)15時22分
緒方欽一(東洋経済記者)※東洋経済オンラインより転載

一方のリップルは日本勢主導で買われているとみられる。リップルは決済・送金ネットワークの「リップル」内で使われる。開発を行うリップルラボ社がSBIホールディングスと提携しているほか、3月末には三菱東京UFJ銀行がリップルの技術を用いた海外送金サービスを始めることがニュースでも取り上げられた。

その結果、従来は仮想通貨に興味のなかった日本の個人投資家層も市場に流入してきたと考えられる。4月1日に仮想通貨の関連法制が整い、報道で取り上げられたことも認知を広げた。また仮想通貨の価格上昇を受けて、関連事業を手掛ける企業の株価が上がり、株式投資家の関心も高まった。

「根拠なき熱狂」が冷や水を浴びるのはいつか

廣末氏によると、仮想通貨の購入者層は大きく三つに分けられるという。それは、(1)仮想通貨のコンセプトや技術を評価し、購入したら安易に売らない人たち、(2)技術などを評価しているが、売買することも好きな人たち、(3)技術などには関心がなく、売買にのみ興味を持つ人たち──だ。

推測になるが、今回動いた層はライトコインだと(1)や(2)、ビットコインやリップルなどでは(3)が中心になっているといえそうだ。この層の広がりは、2000年前後のITバブルを彷彿とさせる。

だとすると気になるのは、「この上昇はバブルか否か」ということだろう。この問いに対する本間氏の見解は、「根拠なき熱狂であり、バブルははじけるしかない」と明快だ。

時価総額で11位に急上昇したのが、イーサリアムの仕組みを使ってスーパーコンピュータを実現させようという「ゴーレム」で使われる仮想通貨だ。これなどはベンチャー企業のプロジェクトそのものだろう。実現可能性があいまいなプロジェクトでも、仮想通貨という流行に乗じて数百億円単位の資金集めが可能になっている。

バブルがはじけるきっかけの多くは、市場が自ら調整するか、当局の規制が入るかだ。

仮想通貨を使った資金集めについては、米国証券取引委員会が監視を強めると予想されている。バブル崩壊は規制がきっかけになるかもしれない。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
toyokeizai_logo200.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:欧州で増加する学校の銃乱射事件、「米国特

ビジネス

豪サントス、アブダビ国営石油主導連合が買収提案 1

ワールド

韓国、第2次補正予算案を19日に閣議上程へ 景気支

ワールド

米の日鉄投資計画承認、日米の経済関係強化につながる
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中