最新記事

自爆テロ

英自爆テロ、地元出身の容疑者はどのような人物か

2017年5月24日(水)12時21分

5月23日、英北部マンチェスターのコンサート会場で22日発生し、22人が犠牲となった自爆攻撃を行った容疑者について、英警察は22歳の地元出身の男サルマン・アベディと特定したことを明らかにした。写真は容疑者の父親と兄が通っていたモスク。同市で撮影(2017年 ロイター/Stefan Wermuth)

英北部マンチェスターのコンサート会場で22日発生し、22人が犠牲となった自爆攻撃を行った容疑者について、英警察は22歳の地元出身の男サルマン・アベディと特定したことを明らかにした。

米治安当局者が英情報当局者の話として語ったところによると、アベディ容疑者は1994年にマンチェスターで生まれ、両親はリビア出身。英国のメイ首相も同容疑者が英国で生まれ育ったことを確認した。

アベディ容疑者の両親はリビアからロンドンに渡り、その後、マンチェスター南部のファローフィールド地区に移住し、少なくとも10年間暮らしていると、米当局者は語った。

警察は23日、同地区エルスモア通りにある自宅を家宅捜索した。

ある米政府筋によると、アベディ容疑者にリビアへの渡航歴があるかどうか、もしあるとすれば、リビアで過激派組織「イスラム国」と接触していたかどうかについて捜査中だという。

英紙タイムズは、アベディ容疑者が最近、リビアから英国に戻ってきたとみられると報じている。

マンチェスターにあるサルフォード大学は、アベディ容疑者が同大学の学生であり、警察の捜査に協力しているとの声明を発表した。

警察はまた、今回の自爆攻撃の関連容疑で、23歳の男をマンチェスター南部で逮捕。報道によると、この男はアベディ容疑者の兄とみられている。

アベディ容疑者にはジョマナ・アベディという女のきょうだいもいると、米治安当局者は明らかにした。

マンチェスターにあるモスクの広報担当アブダラ・ユセフ氏は、アベディ容疑者の父親と兄が同モスクに通っていたが、同容疑者は別のモスクで祈りをささげていたと語った。

「(容疑者の)家族を知っているという人を突き止めることができた。容疑者の父親と娘、そして残りの家族は、カダフィ大佐が殺害され、革命が起きた直後にリビアにやって来たことをその人物は確認した」とユセフ氏は語った。

それ以降、兄弟が2国間を往来することは可能だったと同氏は述べた。

モスクの役員であるファウジ・ハッファー氏によると、アベディ容疑者の父親はしばらくの間リビアに滞在していたという。

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日揮HD、24年3月期は一転最終赤字に 海外事業で

ビジネス

独VWの第1四半期、営業利益が20%減 年間目標は

ビジネス

米テスラ、上級幹部を削減 追加レイオフも実施=ニュ

ビジネス

訂正-日経平均は続伸、米株高を好感 決算手掛かりに
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    ナワリヌイ暗殺は「プーチンの命令ではなかった」米…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中