最新記事

サイバー攻撃

北朝鮮のサイバー攻撃専門「180部隊」 各国の銀行から預金強奪?

2017年5月23日(火)08時56分

北朝鮮はまた、2014年に韓国の原子力発電所に対してサイバー攻撃を行った疑いがもたれているが、北朝鮮はいかなる関与も否定している。

同攻撃は中国のある拠点から行われたと、韓国のセキュリティー専門企業Hauriでシニア・セキュリティーリサーチャーを務めるサイモン・チョイ氏は指摘。

「どのようなプロジェクトを実行しているかにかかわらず、中国のIPアドレスを使ってそこから行っている」と、北朝鮮のハッキング能力について広く調査している同氏は語った。

マレーシアとのつながり

マレーシアも北朝鮮のサイバー作戦の拠点となっていると、北朝鮮スパイ技術の研究に25年間従事した韓国警察の元研究員Yoo Dong-ryul氏は指摘する。

「彼らは貿易会社やITプログラミング企業で働いている」とYoo氏はロイターに語った。「一部では、ウェブサイトを運営し、ゲームやギャンブルのプログラムを販売している」

今年ロイターが行った調査では、マレーシアにあるIT企業2社が北朝鮮の工作機関RGBとつながりのあることが分かった。ただし、両社ともハッキングへの関与を示す証拠はない。

北朝鮮情勢に詳しい専門家のマイケル・マッデン氏によると、「180部隊」は同国の情報コミュニティーのエリートで構成されている数あるサイバー部隊の1つだという。

「人材は高級中学校から集められ、一部のエリート養成機関で高度な訓練を受ける」と、同氏はロイターに語った。

マッデン氏はまた、「彼らは任務において、ある程度の自主性が認められている」とし、中国や東欧のホテルから作戦を実行することも可能だと付け加えた。

米当局者らはワナクライによる攻撃の背後に北朝鮮がいたという決定的証拠はないものの、現状に甘んじているわけではないと語る。

「ランサムウエアによる攻撃に直接関与していようがいまいが、彼ら(北朝鮮)がサイバー攻撃を行う実存する脅威であるという事実に変わりはない」と、米高官の1人は匿名を条件にこう話した。

また、米サイバーセキュリティー会社クラウドストライクの共同創業者、ディミトリ・アルペロビッチ氏は「長い時間をかけて、彼らの能力は着実に向上している。米国の官民ネットワークに著しい損害を与え得る能力を持つ脅威としてわれわれは考えるべきだ」と述べた。

(Ju-min Park記者、James Pearson記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[ソウル 21日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:欧州で若者向け住宅購入の新ビジネス、価格

ワールド

焦点:道半ばの中国「社会保険改革」、企業にも個人に

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない

ビジネス

米国株式市場=続落、ダウ453ドル安 原油高と雇用
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 4
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 7
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 10
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中