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突然だったシリア攻撃後、トランプ政権に必要なシリア戦略

2017年4月12日(水)20時08分
リンダ・ロビンソン(米ランド研究所研究員)

1)アメリカは、アサド政権が化学兵器を使って自国民を攻撃するのを許さないという姿勢を明確にした。シリアとロシアは化学兵器の使用を否定しているので、できる限り多くの証拠を提示して対抗しなければならない。その証明ができれば、2013年にロシアがシリアに合意させた化学兵器禁止合意の遵守を改めて求めることができる。

2)ISIS掃討作戦に関わる米軍や有志連合に対する脅しは、今後容認できないとはっきりすべきだ。ロシアが本気でISISの壊滅を目指すというのなら、その証としてシリア上空での偶発的な衝突を防ぐためのホットラインを再開するようロシアに求める手もある。

3)アメリカはイラクやシリアにおける対ISIS軍事作戦という目にばかり捉われず、長年悲惨な暴力に苦しんできた両国にとって満足のいく政治的解決策を見つけられるよう、より広範な支援を打ち出すべきだ。同地域の紛争解決や安定を実現するだけの力を国際社会から結集できるのはアメリカだけだ。

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