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米中関係

米中首脳会談の結果を、中国はどう受け止めたか?

2017年4月10日(月)06時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

○あるいは逆に5月9日になると、韓国に親中・親北朝鮮・反米の政権が誕生する可能性があるので、その前に北への武力攻撃を断行するかもしれない。事実アメリカは8日、韓国に核兵器を配備するかもしれないと発表した。となれば朝鮮半島における戦争が現実味を帯びてくる。

○いずれにしても中国へのプレッシャーは高まり、中国としても北への圧力を強化するしかない。中国への圧力という意味では、シリア攻撃と首脳会談は一定の効果を発揮した。

日本は?

まだまだあるが、長くなり過ぎた。

少なくとも日本としては日米韓の同盟が強化できるよう、日韓関係を修復しなければならないだろう。しかし韓国は自国の安全よりも慰安婦問題を重視し、それによって選挙民の心をつかもうとしている。この(愚かな)現状を、日本は打破できるのか。

そして武力攻撃が始まったら(始まらなくともその可能性はあるが)、北が最初に狙うのは在日米軍基地であることを肝に銘じなければならないだろう。アメリカによる北への武力攻撃は、ひとごとではない。いかにして日本国民を守るか、真剣勝負が目前に迫っている。

endo-progile.jpg[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)


※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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