最新記事

アメリカ政治

米最高裁判事の指名、上院共和党は規則変更し7日に強行採決か

2017年4月4日(火)09時32分

 4月3日、トランプ米大統領が連邦最高裁判事に指名したニール・ゴーサッチ氏の上院議会での承認をめぐり、民主党のクリス・クーン議員が反対を表明した。これで民主党はフィリバスター(議事妨害)による審議の遅延が可能となる票数を確保した。ゴーサッチ氏、3月撮影(2017年 ロイター/Jim Bourg)

米上院司法委員会は3日、保守派のニール・ゴーサッチ氏の連邦最高裁判事への指名を11対9で承認した。上院共和党は本会議で民主党のフィリバスター(議事妨害)を打ち切るための票数を確保していないが、規則を変更し7日に承認を強行する構えだ。

民主党のクリス・クーン議員がゴーサッチ氏の承認に反対を表明したことで、議事妨害への支持が40人を超えた。

一方、共和党は上院規則を変更してでもゴーサッチ氏の承認を目指す構え。上院共和党指導部は、民主党の動向にかかわらず、7日の本会議で承認する意向だ。

議事妨害が行使された場合、審議の打ち切りには60の賛成票が必要になるが、上院での共和党の議席数は52議席にとどまる。このため、単純過半数の51票でも承認ができるよう、共和上院トップのマコネル院内総務が裁定で規則を変更する可能性がある。ただしこれは「核オプション」と呼ばれ禁じ手とされる。

マコネル氏は核オプションを用いるかは明確にしていないが、複数の共和党関係者は断行すると予想している。スパイサー大統領報道官はマコネル氏の判断次第だと述べた。

医療保険制度改革(オバマケア)の改廃がとん挫し、イスラム諸国からの入国を制限する大統領令が差し止められる中で、トランプ政権にとってゴーサッチ氏承認の重要性が一段と増している。



[ワシントン 3日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、東アジアの海域に多数の艦船集結 海上戦力を誇

ワールド

ロシアの凍結資産、EUが押収なら開戦事由に相当も=

ビジネス

日経平均は3日続伸、1000円超高 AI関連株高が

ビジネス

伊藤園、飲料品の一部を来年3月から値上げ お~いお
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中