最新記事

温暖化対策

オバマ政権下の温暖化対策撤廃へ トランプが大統領令署名

2017年3月29日(水)10時04分

3月28日、トランプ米大統領は、オバマ前政権が導入した一連の環境規制を撤廃する大統領令に署名した。写真は28日、ワシントンで大統領令に署名するトランプ氏(2017年 ロイター/Carlos Barria )

トランプ米大統領は28日、地球温暖化対策としてオバマ前政権が導入した一連の規制を撤廃する大統領令に署名した。

石炭産業の保護を約束した選挙公約を実行に移した格好だが、23の州政府や地方自治体でつくるグループは法廷で争う意向を示している。

大統領令は、州政府に発電所の二酸化炭素(CO2)排出削減を義務付けたオバマ前大統領の「クリーンパワー計画」の撤回を柱とし、環境保護局(EPA)に対し、計画の撤回に向けた正式な手続きを直ちに開始するよう指示している。

この計画は2030年までに全体としてCO2排出量を2005年比で32%削減するもので、地球温暖化対策として2015年に採択されたパリ協定の目標を達成する上で重要な要素となっている。オバマ前大統領が2014年に導入したが、共和党が支配する州が起こした訴訟などで実行が阻まれたままとなっている。

トランプ大統領は選挙戦でパリ協定からの離脱を表明していたが、就任後は離脱について沈黙を続けており、今回の大統領令でも言及していない。

大統領令ではさらに、連邦所有地を炭鉱開発向けにリースすることを禁止した措置や、石油・ガス生産に伴うメタンガス排出削減を定めたルールも撤廃し、連邦政府機関が新たな規制を審査する際に温暖化への配慮が占めるウエートを減らす。

トランプ大統領は「米国のエネルギーに対する規制撤廃に向けた歴史的な措置を講じる」とし、「政府による介入、および雇用を奪う規制を撤廃する」と言明した。

石油採掘・石炭業界などからは雇用創出につながるとして称賛の声が上がる一方、エネルギー業界のアナリストらは大統領令が大きな影響を及ぼすか懐疑的な見方を示しており、環境保護団体は法廷で争う構えを鮮明にしている。

*内容を追加します。



[ワシントン 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英財務相は銀行の準備預金利子の課税を、シンクタンク

ワールド

トランプ一族「ビットコイン社会を愛している」 10

ワールド

焦点:ウクライナ和平に向けた対ロ交渉、米政権混乱の

ワールド

アングル:高関税に知恵絞るインド中小企業、欧州・ア
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ」とは何か? 対策のカギは「航空機のトイレ」に
  • 3
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 4
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 7
    「ガソリンスタンドに行列」...ウクライナの反撃が「…
  • 8
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    自らの力で「筋肉の扉」を開くために――「なかやまき…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 6
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 7
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 8
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中