最新記事

オランダ

15日のオランダ下院選、トルコとの対立は極右政党に追い風か

2017年3月15日(水)11時00分

またルッテ氏とウィルダース氏は13日夜に1対1の討論会を開き、主に移民流入阻止の方法を巡って火花を散らした。

ルッテ氏は、ウィルダース氏が提唱する国境とモスクの封鎖、コーラン禁止を「偽物の解決策」とこきおろし、「われわれが難民危機の原因に焦点を当てているのに、あなたはコーランの取り締まりに全力を注ぐという無駄な努力をしている」と語った。

一方でウィルダース氏は、ルッテ氏がオランダ人より新たな入国者により手厚い福祉を提供していると批判。「われわれは、難民申請を求める人のためではなく、オランダ人自身やその両親のためになる候補を選ぶ必要がある。あなたはオランダ人ではなく外国人を代表する首相だ」と論じた。

ロイターの最新調査では、VVDの支持率が16.2%と最も高く、PVVが13.4%、CDAは12.5%で上昇傾向にある。

上位4党の支持率が接近していてどの党も第1党になり得るが、連立政権を立ち上げるには他の3党に協力を仰がなければならない。

アムステルダム大学のRens Vliegenthart教授は「新政権が一筋縄でいきそうにないことは既に分かっている」と述べ、長期にわたる協議の末にVVDとCDAが主導し、民主66と恐らくは初めてグリーン・レフトが参加する形の中道右派政権が誕生すると予想した。

ただしトルコとの対立激化で世論調査の見通しは当てにならなくなる、と専門家は警告する。ライデン大学のJoop van Holsteijn教授は、移民と国の一体性、対トルコ関係が突如として非常に目立つ問題となり、ウィルダース氏がそうした情勢の恩恵を最も受ける可能性が依然としてある、と分析した。

(Toby Sterling記者)

[アムステルダム 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米2月ADP民間雇用、予想上回る6.3万人増 過去

ワールド

イラン軍艦がスリランカ沖で沈没、米潜水艦が攻撃 少

ビジネス

フィッチ、インドネシア見通し「ネガティブ」に下げ 

ワールド

中国政協開幕、軍トップ張氏ら政治局員2人が姿見せず
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 10
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中