最新記事

アジア

クーデター後初のタイなど、4つのアジア注目選挙

2017年1月25日(水)06時35分
ミレン・ギッダ

■3月26日 香港行政長官選挙

 香港の最高責任者である行政長官は、各界を代表する「選挙委員会」が選出する仕組み。委員1194人の選出には中国政府の意向が反映され、親中派の人物が多く選ばれる。

 だが、中国に忠実な現職長官の梁振英(リアン・チェンイン)を嫌う香港市民は多い。14年には中国に抗議する学生主体の民主化デモ「雨傘運動」が起きた。

 梁は今回不出馬を表明しているため、中国のお気に入り候補は新民党を率いる葉劉淑儀(イエリウ・シューイー)だ。だが世論調査で支持率トップは、14年のデモを支持する曽俊華(ツォン・チュンホア)財政官。中国が彼の出馬を妨害したりすれば、再び騒動が起きるかもしれない。

【参考記事】「民主主義ってこれだ!」を香港で叫ぶ――「七一游行」体験記

■10~11月 中国共産党大会

 新たな最高指導部を選ぶ5年に1度の共産党大会が10月か11月に開催される(正確に言えば選挙ではなく会議であり、国民は投票しない)。今年の党大会は特に重要で、中国の最高意思決定機関である政治局常務委員会7人のうち5人と、常務委員を除いた政治局委員18人のうち半数が交代する。

 確実なのは、習近平(シー・チンピン)国家主席と李克強(リー・コーチアン)首相が22年まで居座ること。だがその後継者、つまり将来の中国のリーダーは今年の政治局常務委員になる人物から選ばれることになる。

 昨年は米大統領選の話題で持ち切りだったが、今年の注目は中国の指導部選びだろう。

【参考記事】米中、日中、人民元、習体制――2017年の中国4つの予測

[2017年1月17日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

金現物、4500ドル初めて突破 銀・プラチナも最高

ワールド

イスラエル、軍ラジオを来年閉鎖 言論の自由脅かすと

ワールド

再送-ベネズエラが原油を洋上保管、米圧力で輸出支障

ワールド

豪NSW州で銃規制・ 反テロ法強化、乱射事件受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中