最新記事

日本外交

安倍・モディ両首相が会談 インド新幹線23年開業、技術者育成の協力も

2016年11月12日(土)11時38分

 11月11日、安倍首相とインドのモディ首相は会談を行い、日本の新幹線方式を採用したインドの高速鉄道を2023年に開業することを確認した。共同記者会見で撮影(2016年 ロイター/Franck Robichon/Pool)

 安倍晋三首相とインドのモディ首相は11日に会談し、日本の新幹線方式を採用したインドの高速鉄道を2023年に開業することを確認した。日本は鉄道建設を通じ、製造業の基盤強化を目指すインドを支援する。

 一方、海上自衛隊の救難飛行艇「US─2」の輸出は継続協議となった。

 高速鉄道の対象の路線はインド西部のムンバイ─アーメダバード間で、両国は昨年12月に新幹線方式を採用することで合意していた。今回の会談で工期を詰め、今年中に設計、18年着工し、23年に開業することを決めた。

 安倍首相は会談後の会見で「日印新時代に象徴的な高速鉄道。インドの高速鉄道の実現が、新たな経済成長の起爆剤になることを期待している」と述べた。他の路線にも日本の鉄道技術の採用を働きかけていく。

 両首脳は、日本の製造技術をインドに伝えるための教育プログラムを設立することでも合意した。今後10年で3万人を育成する。モディ首相は「インド経済は製造業と投資の集積地になることを目指している。日本は不可欠なパートナーだ」と語った。

 かねてから両国で協議している海上自衛隊のUS─2のインドへの輸出は、今回の会談でも合意に至らなかった。両国の政府関係者によると、日本は値下げを打診。インドはモディ首相の来日前に防衛装備品の調達会議を開いて議論したものの、艦艇などの老朽化が進むなか、予算配分をめぐって意見が割れたという。

 (久保信博)

[東京 11日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中