最新記事

トランプ夫人

トランプの妻メラニアが大変身、でも勝負服が裏目に

2016年10月20日(木)10時10分

Lucy Nicholson-REUTERS

<大統領選の第2回討論に、上品なコンサバルックで登場したトランプの妻メラニア。しかし夫の過去の卑猥な発言が公開された直後だったため「挑発的」と揶揄される羽目に>(写真:物議を醸した討論会のブラウス)

 女性の首脳や公人のフォーマルな装いに欠かせないアイテムはいろいろある。その1つが襟元の詰まったブラウスやワンピースに同素材のリボンをあしらった「プッシーボウ(ネコの首に付けるリボンの意味)」だ。

 普通のシャツやワンピースにはない品格と程良い女性らしさが簡単に演出できるコンサバルックの定番で、マーガレット・サッチャー英首相やナンシー・レーガン米大統領夫人、ダイアナ英妃もこよなく愛した。

 ところが先週、このブラウスを着てとんだ物議を醸したのが、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプの妻メラニア(46)。民主党候補ヒラリー・クリントンと夫の第2回テレビ討論会に、ピンクのパンツスタイル(冒頭写真)でさっそうと登場したのはよかったが、メディアの注目が集中したのは着こなしではなく、プッシーボウ・ブラウスの名前だ(プッシーにはスラングで女性器の意味もある)。

【参考記事】「オクトーバー・サプライズ」が大統領選の情勢を一気に変える

 折しもこの2日前、トランプが卑猥な言葉で自慢げに女性経験を語る過去の映像がネット上で公開され、共和党内からも批判が巻き起こっていた。そんななか、わざわざこのブラウスを選ぶとは「挑発的」「夫への当てつけ」と面白おかしく書き立てられる羽目に。7月の共和党大会ではミシェル・オバマ大統領夫人のスピーチを盗用した疑惑でたたかれ、今回も肝心な局面で手痛い失態を犯した。

 とはいえ、最近のメラニアの着こなしには「大統領夫人候補」としての野望と緻密な計算がうかがえる。トランプの出馬前は、元モデルならではの抜群のスタイルを誇示するように、胸元や脚を大胆に露出した服(下の写真)をよく選んでいた。

magw161020-02.jpg

トランプと婚約当時(04年)には、派手で露出度の高い服を好んで着ていたが...... Billy Farrell-Patrick McMullan/GETTY IMAGES

 だが予備選で指名獲得の勝算が見えてきた頃から、一転してコンサバ路線に。「ようやく彼女も服を着るようになった」と評する新聞さえあった。シンプルだが袖口が花びらのようにふくらんだ純白のワンピース、コートを同色のスーツやワンピースの上にさりげなく羽織るなど、シックであか抜けたスタイルに徹し、共和党の保守派から若者まで幅広い層にアピールしようとしている。

【参考記事】トランプにここまで粘られるアメリカはバカの連合国

 今のところ成果は上々だ。物議を醸したグッチのプッシーボウ・ブラウス(1100ドル)も飛ぶように売れているらしい。

 ただしメラニアが大統領夫人になってもミシェルのように万人受けはしそうにない。既に選挙戦中にヌード写真が流出したり、学歴詐称疑惑が浮上するなど、品格の面で大きな疑問符が付いている。

[2016年10月25日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾中銀、政策金利据え置き 成長予想引き上げも関税

ワールド

UAE、イスラエルがヨルダン川西岸併合なら外交関係

ワールド

シリア担当の米外交官が突然解任、クルド系武装組織巡

ビジネス

ロシア財務省、石油価格連動の積立制度復活へ 基準価
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中