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警備ロボは人を守ってくれる? 突き飛ばし事故から懸念される安全性

2016年9月30日(金)06時00分
ケイト・ローレンス ReadWrite[日本版]編集部


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Knightscope社の警備ロボットK5。こうして見ると空気清浄機のよう。


 多くのセンサーやレーザー、そして膨大な量のコードにより、彼らのK3とK5はその周りをランダムに歩き回ったり、アルゴリズムによって巡回するのではなく、ジオフェンスされたエリアの中を自律的に巡回する。

 K5は車庫入れする車を検知したり、駐車場設備のマシンの追跡をおこなえる。さらに、これらロボットは普段とは異なる怪しい挙動を検知するようプログラムされており、道路をモニターしているときは、1分あたりで最大300までのナンバープレートの記録を遡ることができるのだ。人手が必要な緊急時のため、ロボットにはパニックボタンも備わっている。

ショッピングモールの新人ガードマンはロボット

 また、同社は顧客であるUberやショッピングモールに、ロボットを1時間7ドルというガードマンを雇うよりもはるかに安い価格でレンタルしている。しかし、最近発生した業務に従事していたロボットが小さい子供を突き飛ばしたという事故から、その是非を問う声も上がっている。

 その事故というのは、1歳4カ月になる子どもが両親とスタンフォードショッピングセンターを歩いていたとき、飛び込んできたロボットに倒されたというものだ。目撃した母親が言うには、ロボットは後ろから子どもの頭にぶつかり、その結果子どもは顔から転んだということらしい。その後、ロボットはそのまま止まらずに子どもの右足を轢き、子どもは擦り傷ができて腫れたという。

 この母親の主張は「ロボットは子どもに突っ込むのを避けるために左折した」というKnightscope社の主張と真っ向から対立した。同社は、「子どもが後ろ向きに走ってきて、ロボットの前に現れたために倒してしまうことになった」と言っていた。しかし、しばらくするとKnightscopeは、両親へ謝罪することに方針を転換。事故の再発に努めると言った。

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