最新記事

セックス

ネット接続の大人のおもちゃで2人のヒミツがダダ漏れに

2016年8月12日(金)16時00分
アンソニー・カスバートソン

スマートフォンを通じて製造元にデータを送っていたおもちゃ WE-VIBE

<モノがインターネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)時代を迎え、遠隔で操作できる性具も増えているが、バイブレーション(振動)の強度などのデータが製造元に送られてきていたことをハッカーが突き止めた。バラ色に描かれるIoTの危険性も明らかに>

 インターネットに接続された「大人の玩具」が使用者の"情報"をメーカーに送っていたことをハッカーが明らかにした。目的は「市場調査のため」らしい。

 We-Vibe 4 Plus(ウィーバイブ4プラス)は、バイブレーション機能を備えた大人のおもちゃ。専用のスマートフォン用アプリがあれば、カップルが離れ離れの時にも使える。つまり、女性が装着し、男性がアプリを使って遠隔から操作するという仕組みだ。今回暴露されたのは、温度やバイブレーション(振動)の強度といったデータを、製造元が機器から収集している事実だった。

【参考記事】【セックスロボット】数年以内に「初体験の相手」となるリスク、英科学者が警鐘

 このプライバシー問題は、GoldfiskとFollowerという名で活動する2人のハッカーが、世界中からハッカーが集まるハッキング大会「Def Con」で指摘。IoT(インターネット・オブ・シングズ)をもじった「Internet of Vibrating Things(インターネット・オブ・バイブレイティング・シングズ)」と題したトークセッションで、彼らはウィーバイブの製造元スタンダード・イノベーションがどうやってデータを収集しているかを実証してみせた。

 また、彼らによれば、第三者がそのデータを傍受したり、機器を乗っ取って遠隔操作し「性的暴行」を加えたりすることも可能だという。

【参考記事】年内にも発売されるセックスロボット、英研究者が禁止を呼びかけ

 2人のハッカーの発表ではこうも述べられている。「テレディルドニクスが主流になるにつれ、人間の性的快感がプライバシーやセキュリティの問題とも結びつくようになった。これまで、遠隔で電灯をつけたいというような人は気にかけていたが、遠隔で恋人に火をつけたいと考えるような人は気にもしていなかった問題だ」。テレディルドニクスとは、バーチャル・リアリティー(VR=仮想現実)などを利用し、仮想空間で行うセックスを指す。

メーカーはセキュリティを後回しにしがち

 指摘を受けたスタンダード・イノベーションは、声明を出し、情報を収集していることは認めつつも「市場調査を目的としたもので、どのような設定と振動の強さが最適かを理解するため」だと述べている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

現在協議中、大統領の発言一つ一つにコメントしない=

ビジネス

日米で真摯な協議続ける、今週の再訪米否定しない=赤

ビジネス

焦点:25年下半期幕開けで、米国株が直面する6つの

ワールド

欧州の防衛向け共同借り入れ、ユーロの国際的役割強化
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 8
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 4
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中