最新記事

人種差別

テキサス州で警官5人撃たれ死亡、黒人射殺抗議デモの最中

2016年7月8日(金)17時36分

7月7日、米テキサス州ダラスで、今週相次いで発生した警官による黒人男性射殺事件に抗議するデモの最中に、警官4人が何者かに銃で撃たれ死亡し、7人が負傷した。提供写真(2016年 ロイター/Dallas Police Department)

 米テキサス州ダラスで7日、今週相次いで発生した警官による黒人男性射殺事件に抗議するデモの最中に、警官5人が何者かに銃で撃たれ死亡し、6人が負傷した。米史上最悪の大量警官銃撃事件となっている。

 警察によると、銃撃戦の末に容疑者3人を拘束した。1人が投降せず、警官らとにらみ合いが続いている。

 ダラス警察のデビッド・ブラウン署長は、犯人らが高い位置などから狙撃銃を使って警官を襲撃したと述べ、組織的な犯行の可能性があるとの見解を示した。

 犯行の動機などは分かっていない。

 ダラスのローリングス市長は「最悪の悪夢が起きた。ダラスにとって心が引き裂かれる事件だ」と語った。

 7日には全米各地で同様のデモが行われ、ニューヨークでは十数人が逮捕された。

 ルイジアナ州バトンルージュで5日夜、コンビニエンスストアの前でCDなどを販売していた男性(37)が、白人警察官2人によって地面に押さえつけられ、胸を撃たれて死亡した。動画によると、1人の警察官が至近距離で男性に向けて5回発砲。通行人が撮影した別の動画では、警察官2人のうち1人が男性に地面に伏せるよう命じた後、2人が男性にタックルし、1人が銃を取り出し男性の胸に向ける様子が撮影されている。

 バトンルージュの警察は、2人の警察官は、赤い服を着て銃を所持した黒人の男が脅迫しているとの通報を受けたと発表。2人が現場に到着すると、男性は武器を所持しており、対立の末に死亡したと説明した。2人は現在、休職処分となっている。

 一方、ミネソタ州セントポールでは6日夜、車を運転していた黒人男性(32)が停止を求めた警官に銃で撃たれて死亡した。車に同乗していた女性が事件直後に動画を撮影し、交流サイトのフェイスブックに投稿。動画には血を流して意識を失っている男性の様子が生々しく記録されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設

ワールド

ロシア経済、悲観シナリオでは失速・ルーブル急落も=

ビジネス

ボーイング、7四半期ぶり減収 737事故の影響重し

ワールド

バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中