最新記事

移民受け入れ

ドイツでの移民による犯罪、1─3月は6万9000件発生

2016年6月8日(水)18時32分

ドイツでの移民による犯罪、1─3月は6万9000件発生=警察

 ドイツ連邦刑事局(BKA)の発表によると、2016年第1・四半期に同国で発生した移民による犯罪(未遂を含む)は約6万9000件に上ったことがわかった。メルケル独首相が進める開放的な移民政策への不安をかき立て、反移民グループが勢いづく可能性がある。

 昨年はドイツに過去最高の100万人超の移民が流入し、彼らをいかに社会に溶け込ませ、安全性を確保するかという懸念が広がっていた。

 BKAによると、容疑者のうち北アフリカ、ジョージア、セルビアの出身者が、移民の中での割合以上に目立ったという。

 一方、難民申請件数で上位を占めるシリア、アフガニスタン、イラク出身者による犯罪は、絶対的な件数は多いものの「移民の中の割合からすると明らかに発生率が低い」とされた。

 犯罪の内訳は、29.2%が窃盗、28.3%が財産犯または文書などの偽造、23%が身体への危害、強盗、違法監禁などだった。

 麻薬関連の犯罪は6.6%、性的犯罪は1.1%を占めた。

 実際の犯罪と犯罪未遂の内訳や、第1・四半期に国内で起きた犯罪件数全体(未遂を含む)のうち6万9000件がどれほどの割合に相当するのかは示されなかった。

 ただ、移民が犯罪を行った件数は1月から3月の間に18%以上減少したと報告された。

 BKAが16州すべての集計値をもとに移民の犯罪について報告するのは今回が初めて。そのため比較するデータはない。

 昨年12月31日にドイツ西部のケルンで起きた多数の女性への暴行事件では、難民らが関与しているとの見方が出ていた。検察当局は先週、数十人の女性が音楽祭でのセクハラ(性的嫌がらせ)被害を訴えている件で、難民申請中の3人のパキスタン人を取り調べていると発表した。

[ベルリン 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ

ワールド

ベネズエラ沖で2隻目の石油タンカー拿捕、米が全面封

ワールド

トランプ氏関連資料、司法省サイトから削除か エプス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中