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欧州委員会、中国の市場経済国認定で妥協策模索

2016年5月30日(月)09時56分

5月27日、世界貿易機関における中国の市場経済国認定をめぐり、欧州委員会が貿易摩擦の激化を避けるため、妥協策の合意に近づいていることが複数の外交筋の話で明らかになった。写真はブリュッセルの欧州委員会本部、4月撮影(2016年 ロイター/Francois Lenoir)

 世界貿易機関(WTO)における中国の市場経済国認定をめぐり、欧州連合(EU)欧州委員会が貿易摩擦の激化を避けるため、妥協策の合意に近づいていることが複数の外交筋の話で明らかになった。中国の地位を「市場が支配する『国』ではなく『経済』」に変更することを受け入れる構え。

 一方で、欧州委は安価な中国製品の流入を阻止できる能力を持つことを望んでおり、ユンケル欧州委員長は先に開かれた主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で「どこかが市場をゆがめても、欧州は無防備であってはならない」と指摘した。

 欧州は、巨額の補助金で支えられた中国製品が域内産業を損ね、経済に打撃を及ぼすことを警戒しており、中国側はこうした懸念をなだめるため、二重基準の受け入れを示唆している。

 中国外交筋は「あらゆる国が、貿易を守る措置を完全に利用する法的権利を有する。WTOルールに従う限りわれわれに問題はない」と語った。

 ただ、交渉がまとまらない場合は、中国は報復も辞さない構えだ。別の中国筋は「貿易紛争は望まない。しかし貿易相手がルールを尊重しないなら、ビジネスをめぐるEUへの信頼感は影響を受けるだろう」と警告した。

 世界的な鉄鋼余剰にもかかわらず、4月の中国の鉄鋼生産は過去最高を記録。欧州の懸念は強まっている。

 しかし、中国は公的には正反対の立場を示し、交渉を否定している。中国外務省の洪磊報道官は今月「これは中国のWTO加盟交渉に際し約束された条件であり、全加盟国が義務として従わなければならない」とクギを刺した。

 WTOルールでは、加盟国は輸入品価格が輸入先の国内価格を下回っている場合、報復関税を課すことが認められている。

 ただ、2001年の中国のWTO加盟時は、中国の国内価格は市場が決定する価格ではないと判断され、加盟国は中国の国内価格にかかわらず、関税を設定できるようになっていた。

 こうした例外措置は、今年12月11日に期限を迎える。

 欧州委は今年1月にこの議題を初めて討議。6月下旬か7月に、あらためて討議する予定だ。7月15日にブリュッセルで開かれる欧中首脳会議の後、同月末までに、この問題に関する具体的な提案を示すとみられる。 だが、欧州議会の承認を得る必要があり、同議会は今のところ、市場経済国の認定に反対の立場だ。

 

[ブリュッセル 27日 ロイター]


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