最新記事

自動車,

三菱自、日産から34%出資受け入れ再建へ

日産=ルノーグループに三菱が加わり販売台数で米GMに次ぐ世界4位に

2016年5月12日(木)18時55分

5月12日、三菱自動車と日産自動車は、それぞれ取締役会を開き、資本業務提携を決めた。写真は日産カルロス・ゴーン社長(左)、三菱自動車・益子修社長(右)による合同記者会見の模様(2016年 ロイター/Toru Hanai)

 三菱自動車<7211.T>と日産自動車<7201.T>は12日、それぞれ取締役会を開き、資本業務提携を決めた。複数の関係筋によると、日産が2000億円超を投じ、第三者割当増資を通じて三菱自株式34%を取得する見込み。燃費データ不正問題の発覚で業績悪化が避けられない三菱自は、不正問題を機に日産という「新しい血」を受け入れて再建を目指す。

 2015年の世界販売台数は、日産と提携先の仏ルノー合計で約852万台。三菱自を加えると約959万台となり、約984万台で3位の米ゼネラル・モーターズに次ぐ規模となる。首位のトヨタ自動車<7203.T>(約1015万台)、2位の独フォルクスワーゲン(約993万台)の背中も見えてくる。

 両社は午後4時に会見する。日産は出資により現在、筆頭株主の三菱重工業<7011.T>(約12.6%)を抜くほか、約3分の1の出資を占める三菱重、三菱商事<8058.T>、東京三菱UFJ銀行三菱グループ主要3社も上回る。ただ、関係筋の話では、今後も三菱グループ3社は三菱自株の保有を続け、日産が開発トップを送り込み、燃費不正の温床となった三菱自の開発部門の改革と強化を進める見通し。

 両社はすでに軽自動車事業で協力関係にあるが、会社本体の資本関係はなかった。日産は今後、三菱自の立て直しを支援するほか、三菱自のブランド力がある東南アジアなどでの生産・販売、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の開発などで連携したい狙いがあるとみられる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米財務長官、ロシア凍結資産活用の前倒し提起へ 来週

ワールド

ウクライナ、一部受刑者の軍入隊を許可 人員増強で

ワールド

北東部ハリコフ州「激しい戦闘」迫る、ウクライナ軍総

ビジネス

NY連銀、新たなサプライチェーン関連指数発表へ 2
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 2

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 3

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 4

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 7

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    「香りを嗅ぐだけで血管が若返る」毎朝のコーヒーに…

  • 10

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中