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2016米大統領選

米共和党ルビオ議員、大統領選撤退につながった戦略ミス

滑らかな口調、保守的な見解、若く整った容姿、だがそれでも大統領にはなれなかった

2016年3月21日(月)11時45分

3月15日、米大統領選の共和党指名争いから撤退すると表明したマルコ・ルビオ上院議員(写真)は、保守的な見解、キューバ系米国人として様々な層を引きつけることのできる魅力、そして若く整った容姿など、共和党の大統領候補者に必要とされる要素をすべて兼ね備えていた(2016年 ロイター/Carlo Allegri)

 米国が直面する問題に対する滑らかな口調、保守的な見解、キューバ系米国人として様々な層を引きつけることのできる魅力、そして若く整った容姿──マルコ・ルビオ上院議員(44)は、共和党の大統領候補者に必要とされるこうした要素をすべて兼ね備えていた。

 しかし今回の選挙戦では、共和党の「本流(エスタブリッシュメント)」と呼ばれる人々との関与はマイナスとみなされている。ルビオ上院議員は15日、地元フロリダ州での米大統領選に向けた共和党予備選を落とし、選挙戦からの撤退を表明。同州予備選では実業家ドナルド・トランプ氏が勝利した。

 ルビオ氏の撤退に至るまでの過程には多くの誤算と手に入れられなかった好機があったことが、選挙キャンペーンの関係者、献金者、共和党ストラテジストへのインタビューで明らかになった。

 ルビオ氏は、キューバ系移民を両親に持ち困難な子ども時代を過ごしたという経歴をアピールし、一般的な有権者が親しみを感じられるような新たな時代の共和党員としての地位確立を目指した。拡大するヒスパニック(中南米系)の支持獲得にも力を注いできた。

 しかし、ルビオ氏の選挙戦は当初から厳しいスタートに直面していた。

 同氏のアドバイザーは、大統領選の共和党指名争いで初戦となるアイオワ州と第2戦のニューハンプシャー州で、小規模地域で多くの時間を費やすよりも、共和党員に人気の高いフォックス・ニュースや地元放送局などへの出演を求めた。ストラテジストらは、何回も訪問を重ねるのではなく、戦略的な場所に集中することで時間と資金を節約しようとしたとの見方を示した。

アイオワ州の不満

 この戦略的な「賭け」は裏目に出た。アイオワ州の共和党活動家はルビオ氏が同州に長く滞在せず、支持獲得に必要な直接対話も十分にしなかったと不満を漏らした。

 2月1日のアイオワ州党員集会ではテッド・クルーズ上院議員が勝利。トランプ氏が2位につけ、ルビオ氏は3位だった。3位となったことは同氏陣営にとってはある程度の勝利とみなされたが、アイオワ州の共和党員は違う考えだった。

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