最新記事

マイナス金利

長期金利が再びマイナス、運用難で投資家の「金利狩り」加速

40年もの社債が登場するなど、少しでも高い金利を求める機運が高まる

2016年2月20日(土)15時36分

2月19日、投資家がより高い金利を求める動き、いわゆるイールド・ハンティングを強めている。2011年8月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)

 投資家がより高い金利を求める動き、いわゆるイールド・ハンティングを強めている。日銀のマイナス金利政策が浸透するなかで、10年長期金利が再びマイナスに低下。社債の発行年限も長期化してきた。

 資金を長期間固定してしまうリスクはあるものの、運用難が極まる中で、金利収入を求める機関投資家の「少しでも高く」という需要が、債券市場全体に広がっている。

社債は40年ものが登場

 JR西日本<9021.T>は19日、40年債の発行を決定した。金利は年1.575%で発行額は100億円。政府保証債や財投機関債では40年ゾーンの発行実績があるが、40年債は民間企業による公募の普通社債としては最長年限となる。

 味の素<2802.T>も25日に20年債の起債を準備している。20年の公募社債の発行は、電力やガス、鉄道といった投資から回収までの年限が長いインフラ系企業では珍しくないが、製造業としては異例の長さだ。

 こうした長い期間の社債が発行できるのは、投資家サイドにより高い金利を求めるニーズがあるからだ。長期的に安定的な金利収入が入るということはメリットでもあるが、将来的に金利が上昇した場合、評価損が出るほか、高い金利を受け取ることができる機会を失うデメリット(デュレーションリスク)もある。

 それでも運用難が極まる中で「少しでも高い金利が付いた債券を求める投資家が多くなっている」(りそな銀行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏)という。ある超長期バイヤーは、超長期の社債について「金利は低いが、ほかの年限に比べると、相対的にクーポンが高いため買わざるを得ない」と話す。

 19日の円債市場で、10年長期金利は一時マイナス0.010%を付け、10日以来のマイナス圏に突入。国内生保などがメーンの運用商品としている20年債は一時0.700%と過去最低水準を更新した。日銀が16日からマイナス金利の適用を開始。金利低下の圧力が徐々に広がっている。

コスト増加の外債投資

 海外に投資機会を求めるのも1つの選択肢だが、低金利環境は日本だけでなく先進国共通の現象だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米上院、トランプ氏の対イラン戦争権限制限案を否決 

ビジネス

米経済活動、7地区で緩やかな拡大 見通しは全体に楽

ワールド

トランプ氏、FRB次期議長にウォーシュ氏正式指名 

ワールド

米国防総省、重要鉱物の国内供給強化へ提案要請 イラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中