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大人のぬり絵が世界で売れる理由

2015年6月10日(水)12時00分
クリスティン・ホエンナデル

 だが、編集者の反応は微妙だったという。「今みたいに大人向けのぬり絵がはやっていなかったから」と、バスフォードは振り返る。とりあえず5ページ分のイラストを描いて担当者に送ってみたところ、すぐにゴーサインが出た。

 なぜ大人の間でぬり絵が人気なのか。「懐かしいという思いがあるのは間違いないでしょうね。もちろんはやりもあると思う」と、彼女は分析する。「家賃や厄介な上司を忘れて、子供のときのように無心になれるところが魅力なのでは」

ぬり絵作家 バスフォードは最初、子供向けのぬり絵本を出さないかと提案された COURTESY JOHANNA BASFORD/LAURENCE KING

ぬり絵作家 バスフォードは最初、子供向けのぬり絵本を出さないかと提案された COURTESY JOHANNA BASFORD/LAURENCE KING

 ひとことで「大人向け」と言っても、バスフォードの本の読者は多様だ。銀行マンもいれば、主婦やティーンエージャー、仕事を引退した高齢者、入院中の患者など、さまざまな人からメールが届くという。

「気楽に始められて、すぐ夢中になれて、簡単にストップできるクリエーティブな作業......そんなところが幅広い世代にアピールしている理由だと思う」

 バスフォードはイラストを描くとき、庭師だった祖父母からもらった植物図鑑を眺めてインスピレーションを得るという。ただし色のことは考えない。「これは読者と私のコラボレーション。私が動物や植物の輪郭を描き、読者が色を着ける。そうやってイラストに読者の個性が吹き込まれたとき、初めて絵は完成する」

(c) 2015 The Slate Group Distributed by The New York Times Syndicate

[2015年5月26日号掲載]

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