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「セックス拒否」は政治も動かす

2013年11月6日(水)17時31分
ジョン・オーティス

「足組み運動」の広報担当シルバは、妊娠合併症を起こしていた妊婦がバルバコアスからパストの病院に搬送されたときのことを覚えている。病院に着くまで非常に時間がかかったので出産が始まってしまい、妊婦もその赤ちゃんも救急車の中で亡くなった。こうした例が、シルバら約300人の女性が抗議運動を始めるきっかけになった。

 近頃はバルバコアスのほかにも、セックス・ストライキがいくつか起きている。目標はそれぞれ違うが、戦術は世界に広がっている。ベルギーでは政治家たちが連立政権の合意に達するまで、トーゴでは独裁者を倒すため、フィリピンでは派閥争いを終わらせるために、妻やパートナーがセックスを拒否した。ケニアでは09年、政治的内紛を終わらせるためにセックス・ストライキが起きた。抗議行動を起こした女性たちは、ストライキに参加してくれる売春婦には休業補償をすることまで申し出た。

「歴史を通して、女性は権力を握っている男性より不利な立場にある。だが彼女たちは、セックスのことになると男性は非常に弱いことも知っている」と、マイアミ・ヘラルド紙のコラムニスト、フリーダ・ギティスは書いている。

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