最新記事

ロシア

プーチンこそノーベル平和賞にふさわしい?

ロシアのプーチン大統領をノーベル平和賞に推薦する動きがあるが、いったいその根拠は何か

2013年10月2日(水)18時13分

平和の伝道師? 攻撃準備をしていたオバマよりよほど資格がある Reuters

 ロシアのウラジミール・プーチン大統領がノーベル平和賞に推薦された。

 信じられないだろうが、事実だ。

「世界精神結束国際アカデミー」というロシアの団体は10月1日、ノーベル賞委員会にプーチン大統領をこの栄誉ある賞の候補者にするよう書簡を送ったと明らかにした。

 その書簡は9月20日にノーベル賞委員会に届いたが、すでに今年の候補者の締め切りは2月1日に過ぎており、来年の候補者として考慮されることになる。

 愛国的なこの世界精神結束国際アカデミーには、現役または元国会議員が名を連ねているという。この団体は、プーチンがシリアのアサド政権と化学兵器を廃棄する合意を仲介し、アメリカによるシリア空爆を回避した取組みが評価されるべきだと言う。

 有名歌手で与党「統一ロシア」所属のイオシフ・コブゾン議員は、プーチンのほうがバラク・オバマ米大統領よりもこの賞に断然ふさわしいと主張。オバマは09年にノーベル平和賞を受賞している。

「私たちの大統領は戦争を回避し、政治的な解決を目指した。彼こそ、この賞を受け取る価値がある」と、コブゾンは語っている。さらに、オバマは「イラクやアフガニスタンのように、攻撃的な行為を承認して行い、シリアへの介入を準備していた人物だ」。

 コブゾンが同団体のメンバーかどうかは確認できていない。

 ノーベル賞委員会は10月11日に、13年の平和賞受賞者を発表する予定だ。今年の候補数は過去最高で、50の団体を含む259の人や組織が候補に挙がっている。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 デフォルトリ

ワールド

トランプ氏、経済政策が中間選挙勝利につながるか確信

ビジネス

雇用統計やCPIに注目、年末控えボラティリティー上

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中