最新記事

ノルウェー

北欧のクリスマスを襲うバター危機

バター不足で伝統のビスケットが作れない!しかも原因は高脂肪ダイエット?

2011年12月13日(火)16時57分
エリン・コンウェイ・スミス

風物詩 バター菓子がないクリスマスなんて(写真はストックホルム) Bob Strong-Reuters

 ノルウェー人にとってこの冬最大の悩みは、スーパーマーケットの棚からバターが消えたことかもしれない。

 品薄状態が続く中、バター価格は跳ね上がる一方で、ネットでは500グラムあたり465ドルの値が付いている。250グラムで13ドルという「お値打ち品」も売られているが、それでも通常価格のおよそ4倍。このままでは、クリスマスのお祝いに欠かせないビスケットづくりができなくなるという不安が広がっている。

「クリスマスにお菓子を焼く伝統をもつノルウェー人にとって、バター不足は切迫した問題だ。彼らは通常、少なくとも7種類のビスケットを焼く」と、AFP通信は伝えている。

 タイム誌によれば、バター不足の原因はノルウェーで大流行中のダイエット法のせいでバターの消費量が跳ね上がったこと。「ダイエットという言葉には軽やかな響きがあるが、最近は(バターをたっぷり使う)『低炭水化物・高脂肪ダイエット』が人気で、バターの供給が不足している」

 他にも、夏に雨が多かった影響で牛乳の生産量が減ったことや、輸入バターにかかる関税が高い点を原因として挙げる声もある。バター不足は来年まで続くとみられる。

 ノルウェーだけではない。9月には、隣国スウェーデンでもバター不足が問題になった。スウェーデンの料理界では最近、「基本に戻る」風潮が強まり、低脂肪の代替品の代わりに本物のバターの消費量が増えている。その一方で国内の牛乳生産量が減少しており、需給バランスが崩れたのだ。
 
GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米EV税控除、一部重要鉱物要件の導入2年延期

ワールド

S&P、トルコの格付け「B+」に引き上げ 政策の連

ビジネス

ドットチャート改善必要、市場との対話に不十分=シカ

ビジネス

NY連銀総裁、2%物価目標「極めて重要」 サマーズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中