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ブラジル大統領選

ルラの後継?ルセフの危うい政治手腕

2010年10月1日(金)15時14分
マック・マーゴリス(リオデジャネイロ支局)

 本来なら楽勝のはずだった。ブラジルの野党・社会民主党のジョゼ・セラ(68)はこれまでサンパウロ市長や州知事、閣僚も歴任したベテラン政治家。10月3日に行われる大統領選で、彼に張り合える候補などいるはずがなかった。

 ところが今、世論調査ではセラを大きくリードしている候補がいる。これまで公職に選出どころか、立候補さえしたことのなかった与党・労働党のディルマ・ルセフ(62)前官房長官だ。

 官僚としては有能だが、短気で演説下手というイメージの強いルセフが高い支持率を誇っているのは、彼女を自分の後継者として後押しするルラ現大統領の人気のおかげだ。過去8年間、ルラは不安定なブラジル経済を安定させ、持ち前のカリスマ性や積極外交で有権者や投資家を熱狂させてきた。

 残念ながら、ルセフにはルラのような手腕はない。かつて左翼ゲリラだった彼女が過激なマルクス主義者に逆戻りする可能性を危惧する声もある。もっと心配なのは、大統領になっても連立与党を掌握できずに振り回されることだ。

 教育制度の拡充や債務まみれの年金制度の救済、税制緩和など、ルラの残した課題は多い。政治家経験の浅いルセフが大統領に選ばれたら、しばらくは必要な政治手腕を磨く暇さえなさそうだ。

[2010年10月 6日号掲載]

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