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石打ち刑問題でイラン政府内部に亀裂?

「姦通罪」女性の刑執行を停止した背景に何があるのか

2010年9月21日(火)17時04分
マジアル・バハリ

国際世論 石打ち刑判決に対する抗議行動(8月28日、パリ)Mal Langsdon-Reuters

 世界の人権活動家はイラン政府との戦いで部分的な勝利を収めた。国際的な抗議の広がりに直面した同国政府は先週、姦通罪で石打ち刑が言い渡されていた女性の刑の執行を停止したことを認めた。

 刑執行停止の背景にはどんな事情があるのだろう。イラン政府関係者は、石打ち刑の件で政府内部に亀裂が生じたことを示唆する。

 イラン外務省のある外交官は、自分も同僚もイランが「正しい」という考えの下で政府の方針を擁護してきたと話す。だが今回の石打ち刑の問題だけでなく、拘束中の反政府活動家が拷問されたり殺されたりしているという話を聞くうちに、政府に疑問を感じるようになってきたという。

「われわれ外交官は、イランが核開発を進めても心配のない法治国家だと説明しなければならない」のだがと、この外交官は語る。

 イラン政府の混乱は明らかだ。9月9日、昨年7月にイラクとの国境地帯で拘束した3人のアメリカ人のうち女性1人を釈放すると発表したが、10日になって突然撤回した。

 一方、石打ち刑判決を受けたイラン女性は収監されたままで、絞首刑で処刑される可能性が依然として残っている。イランは「非文明国」だという批判は当分、消えてなくなりそうにない。

[2010年9月22日号掲載]

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