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上海女性の厳しすぎる結婚条件とは

2010年3月15日(月)12時41分
ジャン・ヤン

 今、世界で最もホットな不動産市場と言える上海には、ある過酷な現実が──。若い女性たちが、結婚相手の条件に「家持ち」を掲げているのだ。「上海の女性が結婚できないのは『家と車、年収100万元(約1320万円)』を条件にしているせいだというジョークがある」と、営業マンの蘇貝(28)は言う。

 夫にふさわしいと花嫁の家族に認めてもらうために、男性は家という形で経済力を示さなければならない。「相性抜群のカップルが別れる例をいくつも見た。女性の家族が、家も買えない男性との結婚に反対するからだ」と、上海の証券マン、葛は言う。

 昨年、上海では新築物件の総床面積が2倍に伸びた。それでも国内外の投資家や、結婚適齢期を迎えた80年代ベビーブーム世代の需要には追い付かない。上海佑威不動産情報サービス公司によると、ここ5年間で上海の平均不動産価格は倍増し、過去最高の1平方誡当たり1万4986元に達した。

 蘇貝は昨年6月、上海郊外に2LDKの分譲マンションを100万元で購入。だが年収は4万5000元しかないので、頭金の約80%は両親が支払った。彼自身の実力ではないが、女性にとっては家さえあれば関係ないのかも。

*グローバル・ポスト特約
GlobalPost.com

[2010年3月17日号掲載]

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