最新記事

アフガニスタン

アフガン米軍増派に3つの疑問

オバマは3万人規模の増派計画を発表するが、タリバンより厄介な「あの問題」とアフガニスタンより深刻な「あの国」はどうなるのか

2009年12月1日(火)15時44分
トーマス・リックス(ワシントン・ポスト紙軍事担当記者)

出口は見えるか カブール南東に展開する米軍部隊の兵士(09年10月) Nikola Solic-Reuters

 まだ発表されていないが、バラク・オバマ米大統領はアフガニスタンに3万人の追加増派を決定したのはほぼ確実のようだ。そこで3つの大きな疑問がわく。

1)イスラム原理主義組織タリバンよりも厄介な問題だといわれているアフガニスタン政府の汚職と腐敗にはどう対処するのか。

2)今回の増派は、パキスタンの安全保障・治安問題にどのような影響があるのか。アフガニスタンで発生している問題よりも、個人的にはパキスタン情勢のほうがよほど深刻だ。

3)おそらく最も重要なのはオバマの心意気だ。大統領は多くのアメリカ人の、特に彼の支持層からの支持を得られるのだろうか。それとも彼は12カ月間様子を見て、あっさり撤退を宣言するつもりなのだろうか。

私の友人からのアドバイス
オバマが「出口戦略」という言葉を使ったり、この問題にこだわったりしたら、彼に2期目はないと思っていい。つまり、オバマはエイブラハム・リンカーン元大統領ではなく、ジミー・カーター元大統領のような指導者だとみなされるだろう。

読者からの興味深いコメント
「デービッド・ペトレアス中央軍司令官がこの問題をどう見ているのか、聞いてみたい。彼が議会と国民の前で『これは成功する』と言うのを聞きたい。最近、彼の発言をあまり聞いていない」。ペトレアスはどこに行ってしまったのか。不安なアメリカ国民は、あなたに注目している。


Reprinted with permission from "The Best Defense", 1/12/2009. ©2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=

ビジネス

NY外為市場=ドルまちまち、対円では24年12月以
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中