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イギリス

アルカイダ万歳!発信地は刑務所

2009年11月30日(月)12時34分
マーク・ホーゼンボール(ワシントン支局)

 イギリスで服役中の2人の大物テロリストが、アルカイダを支持する声明を刑務所の外部に発信できていたことが、元イスラム過激派らでつくる英シンクタンク「クイリアム基金」の報告書で明らかになった。

 報告書によれば、2人はアデル・アブデル・バリーとアブ・カタダ。バリーはエジプトのアルカイダ系組織の指導者で、ヨルダン人のカタダは別名「ウサマ・ビンラディンの欧州大使」。

 昨年6月、カタダはイギリス随一の厳重警備を誇るロング・ラーティン刑務所内でバリーと会い、そのとき書き留めた「ジハードを支持する宣伝やファトワ(宗教令)」が外部に持ち出され、世界中に発信された。さらに今年1月と3月、カタダは2つの声明を外部に発信したという。

 報告書は、イギリスの刑務所がイスラム過激派の勧誘場所になっているという英米当局の長年の懸念も裏付けている。アルカイダ絡みのテロ計画に関わった男性が、イギリスの刑務所で過激な考え方を学んだという事例もいくつかあった。

 ある英当局者は、クイリアムの報告書は「やや状況証拠的」で不正確だと批判。刑務所運営機関は「クイリアムが調査のために刑務所を訪れることもなかった」としている。

[2009年12月 2日号掲載]

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