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米政治

ペイリン旋風にオバマが高笑い

2009年11月20日(金)16時04分
エバン・トーマス(ワシントン支局)

 もはや絶滅寸前の米共和党穏健派はサラ・ペイリン前アラスカ州知事に消えてほしいと願っている。だが当人にその気はないらしい。今月16日、彼女はバーバラ・ウォルターズとオプラ・ウィンフリーのトーク番組に出演して、17日に出版される回想録『ならず者として生きる』と、「ケンカ上等」の政治信条を売り込むつもりだ。

 オバマは笑いが止まらないだろう。共和党が12年の次期大統領選にペイリンを担ぎ出しても不思議ではなくなった。ギャラップ社の世論調査によれば、共和党支持者の65%が大統領選に立候補したらペイリンに投票すると答えている(彼女が大統領に適していると答えたのは58%)。しかしタイトスカートで決め、これ見よがしに銃を構える右派のポピュリストが相手ならオバマの再選は固い。

 とはいってもオバマも自信過剰ではいられない。中道の死と国政の2極化はアメリカ政治にとって重大な問題だ。ペイリンの共和党に大統領の場を奪われることはないだろうが、攻撃的な党派主義は議会を完全に麻痺させかねない。

 今の議会は近年になく2極化しており、保守派が譲歩しなければどんな穏健な医療保険改革法案も上院通過は難しい。赤字削減だけでなく実効力のある環境対策、移民政策、税制改革も実現不可能だ。

 各種の世論調査はアメリカが右傾化しつつあることを示している。オバマが何かを成し遂げたいなら、何としても右旋回した人々の支持を取り戻す必要がある。

[2009年11月25日号掲載]

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