最新記事

ノーベル賞

「オバマ受賞」に憤る人ベスト6

2009年10月13日(火)18時09分
ケイティ・コノリー(ワシントン支局)

(4)ジョージ・W・ブッシュ

 大統領の任期を満了する頃には、自分が世界から愛されているという幻想はもっていなかっただろう。それでも今回の選考結果は、国際社会がブッシュ元大統領に喧嘩を売ったも同然で、ブッシュはひどく傷ついている。

 オバマへのノーベル賞授与には、彼の政策に反対している米議会の共和党指導者たちを「黙れ!」と一喝する意図もあった。だが実際には、オバマが医療制度改革を実現する助けにはならず、むしろ反対派をいっそう意固地にさせるだけだ。

(5)アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピット夫妻
 
 不幸な境遇の子供たちを何人養子に迎えれば、平和に貢献したと評価してもらえるのか。冗談抜きで、この夫婦は世界平和に尽力してきた。

 シエラレオネ、タンザニア、タイ、エクアドル、スリランカ、チャド、レバノン、シリア、イラク。ジョリーは2001年以降、人道的な危機や難民の窮状に世界の目を向けさせるために多くの国を訪問してきた。各国の大統領や首相と面会し、人道支援団体に資金を出す財団を夫婦で設立した。

 2人は、オバマが俳優の道に参入しないことを心の底から祈っていることだろう。ピットが念願のオスカーをめぐってオバマと争うなんて最悪だから。

(6)タリバン

 俺たちへの攻撃を命じている奴に平和賞だって? ニュースを聞いたタリバン兵の頭には怒りが渦巻いているはずだ。

 彼らに喧嘩を売るのは得策ではない。非公開の拠点にいるタリバンのスポークスマンは「オバマは和平推進に何の貢献もしていない」とAFP通信に語り、厳しく批判した(タリバンがツイッターで情報を発信し始めるのも時間の問題だろう)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:中国で値下げ競争激化、デフレ長期化懸念 

ワールド

米政権、農場やホテルでの不法移民摘発一時停止を指示

ワールド

焦点:イスラエルのイラン攻撃、真の目標は「体制転換

ワールド

イランとイスラエル、再び相互に攻撃 テヘラン空港に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    【動画あり】242人を乗せたエア・インディア機が離陸…
  • 5
    メーガン妃がリリベット王女との「2ショット写真」を…
  • 6
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 7
    ゴミ、糞便、病原菌、死体、犯罪組織...米政権の「密…
  • 8
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 9
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 10
    先進国なのに「出生率2.84」の衝撃...イスラエルだけ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 6
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 7
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 10
    救いがたいほど「時代錯誤」なロマンス映画...フロー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中