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オバマ就任半年、採点は「普通」

2009年8月21日(金)15時24分
ケイティー・ベーカー

オバマも結局は月並みか(4人の前任者と) Kevin Lamarque-Reuters

 新しい大統領には、最上級の賛辞が送られがちだ。史上最悪水準の財政状況のなか、オバマは歴代大統領と比べて最も高い支持率を誇るとされる。

 だが、米ブルッキングズ研究所が発表した最新報告書の見方はやや異なる。「われわれの現状」と題したこの報告書は、オバマ就任後の6カ月を5人の前任者たちと比較したものだ。

 まずは重要な結果から見てみよう。オバマは人気者だが、支持率は下落している。7月に記録した60%の支持率も、カーターやレーガンの就任6カ月後の支持率に比べればやや劣っている。

 とはいえ、野党との支持率の差は65ポイントと、6人のなかでは最大を記録している。これは同時期のカーターの2倍以上だ。

 就任1年目の「最悪の状況」は、財政だけではない。米兵の死者数も、GDP(国内総生産)の縮小率も最大だ。失業率は最悪の水準だし、消費者心理も最も冷え込んでいる。

 それでも、悪いことばかりではない。貯蓄率は最悪だったブッシュ時代より改善してきているし、インフレ率と住宅ローン金利は30年ぶりの低水準にある。

 就任1年目のオバマは、歴代大統領と比べて最高でもないが、最悪でもない。ちょうど平均ぐらい、というところだろう。

[2009年8月26日号掲載]

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