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左利きは本当にクリエイティブ...? 「天才神話」に科学が下した冷静な結論

Lefty Myths Debunked

2025年7月25日(金)17時30分
メリッサ・フルール・アフシャル(本誌記者)
左利きは本当にクリエイティブ...? 「天才神話」に科学が下した冷静な結論

ポール・マッカートニー(左、右はジョン・レノン)のような左利きの有名人の存在も影響? UPIーBETTMANN/GETTY IMAGES

<「左利きの人はクリエイティブ」「天才は左利きが多い」──昔からよく聞くけれど、それって本当? 最新の大規模分析がその神話に待ったをかけた>

左利きの人は生まれつき創造性が高い?──昔からよく言われることだが先頃、サイコノミック・ブレティン&レビュー誌に発表された論文によると、単なる「神話」にすぎないようだ。

「左利きの人が創造的思考に優れているというデータはない」と、この論文の著者の1人である米コーネル大学のダニエル・カササント准教授(心理学)はコメントしている。カササントらが過去100年以上の科学的研究の結果を分析したところ、そのような固定観念を裏付ける根拠は見いだせなかったという。


左利きの人(控えめに見積もって人口の約10%)はクリエーティブだという考え方が根強く存在し続ける一因は、私たちの脳の構造にある。

創造的思考、とりわけいわゆる「発散的思考」(問題に対して複数の解決策を見いだす思考)は、脳の右半球と関係がある。その脳の右半球は、左半身をコントロールする脳の領域でもあるのだ。

ある研究では、ボールを左手で握った後で発散的思考のテストを受けた人たちは、テストの成績がよかった。この実験結果は、左手でボールを握ることにより、創造性に関わる脳の領域が活性化されたものと推測された。

そこから、左利きの人たちは利き手を使うたびにこの実験と同様の効果のある行動を取っていて、それにより発散的思考が促進されているのではないか、という考え方が広がっていったのだ。

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