「レーベル先天黒内障」とは何か?...画期的な「遺伝子治療薬」で視力改善へ【最新研究】
From Shadows to Sight
NATALIA CAMPBELL OF NC PHOTOGRAPHY/GETTY IMAGES
<重度の視覚障害や「法的失明」につながる子供を救うため、画期的な治療の研究が進んでいる>
幼いハービー・ヘインズは新しい人生を手に入れた。
視力に深刻な影響を与える先天性の希少な眼疾患を患うハービーは、同年代の子供とコミュニケーションを取ることが難しく、知らない環境を嫌がり、自分のきょうだいともうまく遊べなかった。しかし画期的な遺伝子治療が、ハービーと彼のような子供たちに大きな変化をもたらした。
ロンドンのムーアフィールズ眼科病院とバイオテクノロジー企業のメイラGTx、ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームは、レーベル先天黒内障(LCA)のうちAIPL1遺伝子の変異に関連がある重度の小児患者について、視力を改善して網膜の劣化を遅らせる安全で効果的な遺伝子治療を実証する結果を得た。
遺伝性網膜ジストロフィーの1つであるLCAのうちAIPL1遺伝子の変異は、新生児1000万人当たり2~3人に起きる。重度の視覚障害や法的失明(WHOの基準は良いほうの目の矯正視力が0.05未満)につながり、行動や意思疎通、運動能力など、さまざまな発育の遅れや障害を伴うことも少なくない。
しかし研究チームが新しい治療を試したところ、手の感触でしか玩具で遊べなかった子供たちが支障なく走り回ったり、絵を識別したり、ゴーカートの運転さえできるようになった。
「とても画期的な改善だ」と、医学誌ランセットに掲載された論文の著者の1人でムーアフィールズ眼科病院の眼科医ミシェル・マイケルディズは語る。
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