最新記事
考古学

最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚きの新発見

2025年3月28日(金)17時15分
アリストス・ジョージャウ(科学担当)
アルファベットの起源は紀元前1900年頃にあると考えられてきたが…

アルファベットの起源は紀元前1900年頃にあると考えられてきたが… Elina Madelane-shutterstock

<新たに発見された遺物は、これまでの説と全く異なることを示しているのかも>

考古学者たちは、世界最古とみられるアルファベットの文字体系を発見した。

【画像】最古のアルファベットが刻印されたとみられる円筒

それは、古代シリアの都市テル・ウム・エル・マラの墓から発掘された指ほどの長さの粘土製の円筒に刻まれていた。紀元前2400年頃のものと推定され、これまで知られていた最古のアルファベットより、約500年も前に存在していた可能性がある。


円筒は、米ジョンズ・ホプキンス大学とオランダのアムステルダム大学の研究チームが、16年間にわたる共同調査の中で発見した。調査に携わったジョンズ・ホプキンス大学のグレン・シュワルツ教授は「アルファベットは王族やエリート層以外の人々にも書き言葉を広め、文字の世界に革命をもたらした。今回の新発見は考えていたよりもはるかに早い時期に、人々が新たなコミュニケーションを試みていた証拠だ」と語る。

これまでアルファベットは、紀元前1900年以降にエジプト周辺で発明されたと考えられており、シナイ半島の遺跡セラビット・エル・カディムや、エジプトのワディ・エル・ホルにある岩の刻印などが最古だとされていた。

「私たちが発見した円筒はこれまで発見されてきたものよりもっと古く、しかも地理的に異なる地域から出土した」とシュワルツ。アルファベットの起源が、これまで考えられていた説とは全く異なる可能性があると強調した。

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中