セックスでも子育てでも「メスの優位」こそが社会的調和の要因...サルから学ぶ「男女平等のメリット」
ANIMAL INSTINCTS
モノガミー(一夫一婦制)を堅持するサルの仲間のドウイロティティはオスとメスの外見にほとんど違いがない MOULULI/500PX/GETTY IMAGES
<現代社会における「性の在り方」の混乱は自然の「再発見」でしかない──霊長類には2つの交配スタイルがあるが、いずれもメスが主導権を握ることで調和がもたらされているようだ>
私たち人間のセクシュアリティー(性の在り方)とジェンダーをめぐっては白熱した議論があり、まさに文化戦争の様相を呈している。
しかしアメリカの進化生物学者ネイサン・レンツ(Nathan H. Lents、ニューヨーク市立大学ジョン・ジェイ・カレッジ教授)に言わせると、性的な関係について単一の正解を求めようとするのは間違いで、むしろ性の多様性こそが種の繫栄をもたらしてきたと考えられる。
以下は、レンツの新著『性的進化:セックスとジェンダー、交配の5億年史(The Sexual Evolution: How 500 million years of sex, gender, and mating shape modern relationships)』(マリナー・ブックス)の抜粋。
著者は霊長類に見られる2つの交配タイプを考察し、どちらも親子の絆を強めるのに役立っているとし、人間の家族の起源にも言及している。
わずか2世代(約60年)で、性的な関係についての私たちの理解はすっかり変わった。現状に違和感を抱く人がいるのも無理はない。しかし昨今の議論には、残念ながら生物学やセックスに関わる自然史の視点が欠けている。
性の在り方をめぐる現在の混乱は、私たちの祖先がかつて享受し、他の動物たちが今も享受しているもっと多彩な性的関係を「再発見」する過程だと私は考える。
生物学者たちは、動物が交尾する理由について多くのことを発見しつつある。動物たちは互いの絆を深め、社会の結束を強め、同盟関係を築くためにセックスを利用する。
相手を出し抜き、競争に勝って利益を得ることが目的の場合もある。私たち人間と同様、ひたすら快楽を求めてセックスをすることもある。
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