最新記事
野生生物

雨が多いと離婚が増える? 鳥たちに見る気候変動の影響

Rain Drives Birds To Divorce

2024年12月9日(月)14時40分
ジェス・トムソン
雨が愛を壊す? セイシェルヤブセンニュウの離婚率と気候変動の驚きの関係 COULANGES-Shutterstock

雨が愛を壊す? セイシェルヤブセンニュウの離婚率と気候変動の驚きの関係 COULANGES-Shutterstock

<気候変動が鳥の結婚生活を脅かす...セイシェルの調査が明かす現実>

雨が降ると人間でも多少みじめな気分になる。だが小鳥同士の関係にはとんでもない影響を及ぼしかねない。

セイシェル諸島の5島にのみ生息する鳥類「セイシェルヤブセンニュウ」は、雨が多すぎたり少なすぎたりする日が続くと「離婚」が増える傾向があるという論文が、アニマル・エコロジー誌に掲載された。

この発見は、気候変動による気象パターンの変化が、世界中の多数の種の繁殖に広く影響を及ぼし得ることを示唆している。

論文を発表した研究チームはクーザン島のセイシェルヤブセンニュウの繁殖行動について16年分のデータを分析し、同じ時期の気象パターンと照らし合わせた。

セイシェルヤブセンニュウは、雄と雌が複数の繁殖期、あるいは生涯を通して長期間つがいになるソーシャルモノガミーの関係をもつ。鳥類の90%はソーシャルモノガミーだが、どちらか一方が死んだわけではないのにこの絆が壊れることを離婚と呼ぶ。

「離婚(両方とも生きているのにつがいの絆を絶つこと)は、多くのソーシャルモノガミー種で観察される繁殖戦略であり、うまくいかない繁殖と関係することが多い」と論文では解説している。

ヘルスケア
腸内環境の解析技術「PMAS」で、「健康寿命の延伸」につなげる...日韓タッグで健康づくりに革命を
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

ウクライナ提案のクリスマス停戦、和平合意成立次第=

ビジネス

EUの炭素国境調整措置、自動車部品や冷蔵庫などに拡

ビジネス

EU、自動車業界の圧力でエンジン車禁止を緩和へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中