最新記事

禁断の医療

「若い血を輸血して老化を防止」事業者に聞いた「効果ある?」

2018年2月27日(火)19時25分
ザック・ションフェルド

――8000ドルは安くない。顧客は相応の効果を感じたいのでは?

彼らは効果を実感している。複数の顧客が何回も治療を受けている。

――あなたは医学の学位を持っているが、どうしてこのビジネスに?

卒業以来ずっと老化研究の分野で働いている。卒業前からこれが自分のやりたいことだと思っていた。それで会社を立ち上げた。老化研究には詳しかったし、医師だから治験実施計画書を書いて承認を得ることが可能だったので実現することができた。

――この治療法に目を付けたきっかけは?

動物での研究が大きかった。私が医学部を卒業する数年前から、この研究は再び関心を集めていた。

――「人間なら何千ドルも払うぞ!」と期待した?

料金を抑えたいが、既に採算ぎりぎりでやっている。大して儲かってない。臨床試験にカネがかかる。

――ご両親は血漿輸血のアイディアに賛成しているのか。

もちろん。私を誇りに思っている。

――あなた自身は35歳未満だが、血漿輸血を受けたことは?

まだだ。受けられる年齢になるのが楽しみだ。当社の薬事関係の部署と相談して35歳以上が妥当だと決めた。

――健康で長生きする方法への異常な執着は、資本主義と金の使い方について何を示唆していると思うか。

すごくいい質問だ。こうした現状は人々の優先順位を反映している。私たちは健康を重視していて、健康への投資は見返りが大きいのだと思う。だからみんな健康管理に大金をつぎ込む。

――うまく言えないが......健康長寿のための治療でできることに限界はあると思うか。

言いたいことは分かる。不死は可能かということなら、私は不死を信じていない。多くの医学的理由で不死は不可能だ。それでも、少しずつ不死に近づくことは可能かもしれない。健康管理に金をかけるほど効果が上がり、生物学的には限界を広げ続けることができる。それには新たな医学的方法を考案し続けなければならないと思う。

――健康へのリスクはあるか。

もちろん。アメリカでは1年間に何百万回も輸血が行われている。厳密には輸血用血液は血液製剤だから、原料の血液が適正に選別されているかどうかに気を付ける必要がある。だがそれさえ注意すれば、最も安全な部類の治療法だ。それが当社の血漿輸血が承認されている一因でもある。輸血は十分研究されていて、非常に安全だ。

――それでも何かリスクは?

理論上は感染症のリスクがある。当社は血液バンクではない──当社が血液を集めているわけじゃない。だが血液バンクは血液を選別して感染症を予防している。感染症のリスクがあるので規制は厳しく、アメリカの輸血用血液は世界でも特に安全とされている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ITA支援の外国政府調達契約、25年は前年比3倍

ビジネス

ドイツ25年借入額、当初計画下回る 歳出減と歳入増

ビジネス

英中銀のグリーン委員、インフレ圧力を依然懸念

ワールド

デンマーク首相、NATO事務総長と北極圏の安全保障
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 8
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 10
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中