最新記事
SDGsパートナー

廃棄される酒粕を「プロテイン」にアップサイクル...「美容のため」から「社会のため」にハリウッドが目指す好循環

2025年12月26日(金)16時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

同製品では、大豆由来のたんぱく質に植物性ビオチンを含む「シロゴチョウ葉エキス」を配合することで、環境負荷の少ない栄養摂取方法を提案している。

リニューアルを担当したプロダクトマーケティング室長の長谷川直子氏は、「美しさは努力だけでなく、『環境』や『選択』によっても左右される」と語る。

「私自身、仕事や家庭の都合で自分の体調や栄養管理が後回しになってしまう経験があり、栄養の偏りが外見だけでなく心身のバランスに影響することを実感してきました。だからこそ、日々の生活の中で無理なく続けられ、社会にも良い循環を生む選択肢を増やしたいと思いました」

酒粕のアップサイクルと、植物性たんぱく質による選択肢の提示は、環境と健康をつなぐアプローチ。さらに、酒粕という日本の「発酵文化」が掛け合わさることで、伝統と未来をもつなげていく。

「自分の健康を大切にすることが、同時に社会貢献になる。そんな循環を形にしたいと考えています」

リニューアル発売された「ソイプロビューティ+SAKE」

リニューアル発売された「ソイプロビューティ+SAKE」

食品ロスになっていた酒粕を栄養と味で両立...プロテインにアップサイクル

「佐々木酒造の佐々木社長と協力して、この商品の特性やアップサイクルの取り組みを伝えるためのイベントやワークショップなども行っています」と、SHUJI氏は話す。製品化の後にもアップサイクルの概念を広める活動を行うなど、「つくる責任」も徹底している。

さらに、環境にも配慮してプラスチックスプーンを全商品で廃止。パッケージを簡略化するなど、健康的な生活への寄与にとどまらず、地球への環境配慮を考えた製品づくりを推進している。

ハリウッドは「ソイプロビューティSAKE」の商品化以前から、サンゴに優しい日焼け止めの開発など、環境保全活動に長年取り組んできた企業だ。その根底には、創業者夫妻から続く社会貢献への意識がある。

「『社員一人一人が何を成したら社会の役に立つかを考え行動する』をモットーに、SDGsに関しては部署に関わらず会社の課題として全体で取り組んでいます」と、SHUJI氏。

2026年1月25日の一般販売に先がけて、「ソイプロビューティ+SAKE」はオーガニックコスメのセレクトショップ「コスメキッチン」やナチュラルローソンなどで先行販売されている。

またハリウッドでは2026年初夏にかけて、新たなアップサイクル原料を使った新商品の発売を予定しているという。

創業者の目指した社会貢献への意識が社員一人ひとりに浸透し、それが自社製品の強みを活かしながら環境問題の解決にも貢献する商品開発に繋がっていることがうかがえる。まさに好循環を生み出す、社会的企業の見本となる事例ではないだろうか。

◇ ◇ ◇


アンケート

どの企業も試行錯誤しながら、SDGsの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。

アンケートはこちら

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、米防衛企業20社などに制裁 台湾への武器売却

ワールド

ナジブ・マレーシア元首相、1MDB汚職事件で全25

ビジネス

タイ中銀、バーツの変動抑制へ「大規模介入」 資本流

ワールド

防衛省、川重を2カ月半指名停止 潜水艦エンジンで検
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中