全国どこにいても「自分らしく学ぶ」選択肢を...教育の地域格差解消を目指すベネッセの挑戦
卒業後の未来を見据えた機会提供にも注力
ベネッセ高等学院学院長・中等部学院長の上木原孝伸氏は同学院について、「一人ひとり違う興味関心や学びのペースにあわせて徹底的に"自分軸"を重視し、将来へとつなげる学びの場」と述べる。
実際、卒業の先の将来を見据えた機会提供も意識しているという。
「探求学習と進路指導を通して自分を見つめながら進路を考えることができるほか、将来への視野を広げる独自のプログラムも用意しています。さまざまな企業と連携した『リアルお仕事体験』では、単なる企業見学にとどまらず、アルバイトとインターンを組み合わせ、生徒が実際の企業現場で業務体験を行うことで『働くこと』の具体像を体感できるようになっています」
開校発表後には「自分を前向きに捉えられる場所になると思えた」「学ぶことの楽しさを感じてほしいこと、今しか学べないことや触れるから意味があること、それを叶えてくれると思った」といった声が寄せられ、10月に開校した中等部では想定を上回る申込みによって100名の定員を200名に倍増させた。

今後について、上木原氏は「多様な個性を尊重しながら個々人の創造性やスキルを伸ばし、既存の枠組みや常識に捉われず、しなやかに未来を切り拓く人材を輩出する取り組みを続けていきます」と意気込む。
世界に先駆けて少子高齢化が進む日本において、次代を担う子供たちの成長を支える教育は、社会の持続可能性を左右する最重要テーマだ。しかし現実には、地域による教育格差という大きな壁が立ちはだかっている。場所を問わず確かな学びを保障する「ベネッセ高等学院」の存在は、この構造的課題への有効なアプローチになり得るとして評価できる。
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