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青梅線に続いて久留里線でも! 「沿線まるごとホテル」プロジェクトが贈る「里の一人になる」新しい旅行体験

2025年11月5日(水)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

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「Satologue」を創り上げた地域の人たちとの集合写真 ©︎Daisuke Takashige

Satologueには、開業前から多くの人が携わっている。かつて養魚場として使われ荒れ果てていた外構はJR社員が草むしりから行って整備し、生態系が自然と集まるビオトープに再生。都心から奥多摩へ移住してきた若手シェフやマネージャーがいる一方で、キャストとして地域のおじいちゃん・おばあちゃんも運営の一端を担っている。新たにオープンした宿泊棟も多くの予約を獲得するなど好評で、賑わいを見せている。チェックイン駅の鳩ノ巣駅では、乗降数が年々伸びてきているという。

「移動そのもの」が地域を体感できるコンテンツだとする考えの下、モビリティツーリズムの旅も提供している。鳩ノ巣駅発着で、環境にやさしい新型モビリティの電動トゥクトゥクや電動アシスト自転車をレンタルし、奥多摩の見どころを巡ることができるというものだ。

この他にも、冬の星空観測(宇宙教室)や地域のお酒を楽しめるガストロノミー(ガ酒トロノミー)など、コンテンツを充実させている。

2040年には全国30沿線に展開することを目指して

「沿線まるごとホテル」プロジェクトは第7回ジャパン・ツーリズム・アワード(2023年)で最高賞の「国土交通大臣賞」を受賞、第9回(25年)にも入賞を果たした。他にも、COOL JAPAN AWARD 2025のインバウンド部門にも認定され、地域コンテンツを魅力的に体験できる取り組みとして高く評価されている。

「イベント等で1万人が1回来て終わるのではなく、同じ1万人でも100人が100回来訪してもらう沿線集落を目指しています」と、会田氏は語る。2040年には、同じ課題に直面する全国過疎高齢化地区30沿線で同プロジェクトを展開することを目標にしているという。

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JR青梅線に続きJR久留里線(千葉県)で第2沿線として始動

2025年の11月には、青梅線に次ぐ第2の沿線としてJR久留里線(千葉県)でのツーリズムも始動した。

東京からのアクセスも良い海に面した内房・外房エリアが注目される一方、同線の走る内陸(奥房総)エリアでは過疎化・秘境化が進んでいる。この地域には、世界的にも珍しい200カ所の井戸からの湧水やその水が育んだ野菜、久留里城や亀山温泉などの観光資源がある。

第2沿線プロジェクトのキックオフイベントとして、こうした上総エリアの水とともに100年続く里の営みをまるごと感じられる1泊2日のモニターツアー「久留里線Timeless Journey」が、JR東日本千葉支社との連携によって実現した。

コロナ禍で一度は落ち込んだ観光需要も今や完全復活し、有名観光地は旅行者であふれ返っている。これに伴い、オーバーツーリズム(観光公害)が問題視されるようになった。2023年10月には、観光庁が「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」を発表。観光需要を分散・平準化させるべく、地方部への誘客を推進する意向やそのための対策を示した。

旅行者の志向にも変化が見られ、ローカルな地域でのんびりと旅行を楽しむアンダーツーリズムのスタイルも浸透してきている。こうした旅行トレンドの変化を追い風に、同社は青梅線沿線でのプロジェクトを着実に前進させ、奥多摩本来の循環型地域づくりを実現させつつある。第2沿線の取り組みがスタートするなど、地域の魅力を再発見しながら経済を活性化させる持続可能な地方創生モデルを体現し続けており、その再現性が高く評価できる。

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