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アマゾンの尻をたたいた株主「アズ・ユー・ソー」とは何者か?...マイクロプラスチック削減に貢献

A MORE SUSTAINABLE AMAZON

2025年9月9日(火)14時26分
ジェフ・ヤング(環境・サステナビリティー担当)
Amazonのロゴと段ボール

アマゾンは梱包材に用いるプラスチックを大幅に削減した SERGEI ELAGIN/SHUTTERSTOCK

<1日に発送される荷物は2000万点以上。膨大なプラスチック梱包材の使用量削減の裏にはある団体が──>

環境保護団体は長年、アマゾン(Amazon)が世界で毎日発送する2000万点以上の荷物に用いるプラスチックの量を削減するよう求めてきた。同社はその要求に応じ始めたようだ。アマゾンの最新の報告書によると、同社は2024年、プラスチック製梱包材の使用量を3年間で4分の1近く削減したという。

「19年以降、わが社のエンジニアや科学者たちは紙を用いた革新的な包装方法の開発に取り組んできた」と、パット・リンドナー副社長(メカトロニクスおよび持続可能な包装担当)は本誌の取材に対して電子メールで回答している。


リンドナーによれば、プラスチック製緩衝材については既に全廃している。「私たちはサステナビリティー(持続可能性)と顧客体験という2つの重要な要素に突き動かされて前進し続けてきた」。

しかし、この問題でアマゾンの行動を突き動かしてきた大きな要素がもう1つある。それはサステナビリティー志向の強い株主の存在だ。

アメリカの非営利団体「アズ・ユー・ソー(As You Sow)」は20年、アマゾンに株主提案を行い、配送で用いるプラスチックの量を減らすよう求め始めた。同団体は株主として企業に働きかけ、企業に社会的責任と環境への責任を果たさせる運動を展開している。

プラスチックの廃棄物は、環境危機を招き健康を脅かす世界規模の原因になっている。プラスチックが河川や海洋に大量にあふれ返り、海洋生物の命を奪っているのだ。マイクロプラスチックや一部のプラスチックに含まれる有害成分が人間の健康に及ぼす悪影響も懸念されている。

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