最新記事
日本企業

配線器具は「CO₂から作る」時代へ 日本を代表する電材メーカーとメタノール総合メーカーが共同開発

2025年5月19日(月)16時40分
西田嘉孝

記者会見場に展示されていたメタノール水溶液やユリア樹脂(ラボ試作品)

(左から)記者会見場に展示されていたメタノール水溶液(天然ガスから製造)、同(水素とCO₂から製造)、同(消化ガスから製造)、ホルムアルデヒド水溶液、ユリア樹脂、コンセントのユリア樹脂製造部位、化石資源から製造したユリア樹脂(ラボ試作品)、CO₂から製造したユリア樹脂(ラボ試作品)。メタノールからホルムアルデヒドを製造し、そこからユリア樹脂を作る Photo: Newsweek Japan

あとはコストの上昇への理解をいかに広げていくかだけ

CO₂から製造するメタノールへの期待は、電材業界でもますます膨らんでいくだろう。

環境配慮型ユリア樹脂を使用した配線器具を導入すれば、住宅やビルなどの設備の資源循環への貢献となるほか、建築物のライフサイクル全体で排出されるCO₂(エンボディードカーボン)の削減にもつながる。

とはいえ、両社によれば現在は、従来のユリア樹脂を使った製品に比べ、コストの上昇は避けられない。製造時の設備投資は不要であり、製品の品質も劣らないだけに、あとは環境負荷の低い製品の価値への理解を、いかにユーザーに広げていくかが課題だ。

パナソニックEW社ではまず、ゼネコンやハウスメーカーなどに向けた訴求を行っていく計画だという。

持続可能な未来に向けて、循環型社会への移行は、減速することはあっても逆行することはない。私たちの暮らしの中に当たり前にあるコンセント。こんなところでも、メーカーの絶え間ない挑戦が続けられている。


ニューズウィーク日本版 健康長寿の筋トレ入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月2日号(8月26日発売)は「健康長寿の筋トレ入門」特集。なかやまきんに君直伝レッスン/1日5分のエキセントリック運動

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

三菱商、洋上風力発電計画から撤退 資材高騰などで建

ワールド

アングル:習主席、SCO首脳会議で結束演出へ トラ

ワールド

フィリピン中銀、政策決定発表を新方式に 時間30分

ワールド

マスク氏弁護団、オープンAIの要請を阻止するよう裁
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪悪感も中毒も断ち切る「2つの習慣」
  • 4
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    「美しく、恐ろしい...」アメリカを襲った大型ハリケ…
  • 7
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 8
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 9
    イタリアの「オーバーツーリズム」が止まらない...草…
  • 10
    「ありがとう」は、なぜ便利な日本語なのか?...「言…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中