最新記事
SDGs

カナダ発、再利用しづらい竹の割り箸をアップサイクルするスタートアップが日本に上陸

2024年10月31日(木)10時48分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

newsweekjp20241031095501-7f40a702ab1f27746118b67dcae658ce9c059e68.jpg

チョップバリューのマイクロファクトリーでは割り箸を圧縮加工してアップサイクルする ChopValue / YouTube

1億8千万本以上をリサイクルした実績

バンクーバーのチョップバリュー(2016年設立)は、外食産業から使い終わった割り箸(木製と竹製)を無料で回収し、それを板に加工し、テーブルや椅子、小物を製造販売している。再利用の作業は、マイクロファクトリーと名付けられた独自の工場で行われる。集めた割り箸は仕分けし、水性樹脂コーティングして乾燥後に圧縮して板にする。

同社の躍進は目覚ましく、バンクーバーのみならず、北米や東南アジアを中心にほかの都市にもマイクロファクトリーをオープンしている。フランチャイズ化をさらに進め、数年後は150カ所以上で展開したいという。

チョップバリューの製品は、最近ではメキシコシティーのケンタッキーフライドチキンに導入されるなど、多数の飲食店で使われている。オフィスでも導入されており、公共施設ではバンクーバー国際空港で使われている。個人で購入したい場合は、同社のオンラインショップで買うことができる。

同社は現在までに1億8414万本以上の割り箸をリサイクルし、リサイクルの過程全体で910万㎏のCO2排出量を削減した。 

川崎市に、日本初の工場オープン

チョップバリューは、とりわけ、日本と中国とアメリカでマイクロファクトリーの数を増やす計画だ(同社の2023年版サステナビリティ・レポート31ページ)。

そして、日本での記念すべき第1号工場が川崎市に誕生した。木製・竹製両方の箸をレストラン、オフィスのカフェテリア、フードコートから集め、年内に稼働予定とのことだ。日本でも環境保護への意識が高まるなか、同社のねらい通り、将来的に国内でのフランチャイズに関わりたい人が各地で次々と手を挙げるかもしれない。

ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:軽飛行機で中国軍艦のデータ収集、台湾企業

ワールド

トランプ氏、加・メキシコ首脳と貿易巡り会談 W杯抽

ワールド

プーチン氏と米特使の会談「真に友好的」=ロシア大統

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 8
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中