最新記事
SDGsパートナー

「エシカル印刷」へ 近藤印刷が切り拓く地域共創×循環経済の道

2024年1月12日(金)11時49分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
エシカル印刷

1954年に創業した名古屋市中川区の老舗印刷会社、近藤印刷。地元で培った信頼をもとに、時代の変化にあわせた事業転換を地域と連携して進める

<脱プラスチックの逆風に直面した名古屋の老舗印刷会社が大胆な事業転換を決断。歴史ある中川運河の地域を巻き込んで、文化・環境保全の新プロジェクトに挑む>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇


株式会社近藤印刷は、近年の脱プラスチックの潮流を受けて、フィルム印刷を強みとした従来の事業から「エシカル印刷」へと方針転換し、環境に配慮した素材を用いたエシカルグッズの制作や、地域の循環経済のエコシステム構築を目指した事業に取り組んでいる。

「エシカル印刷」へと脱プラスチックの潮流の中で社運をかけて経営の舵を切った


昨今、プラスチックが引き起こす海洋汚染や大気汚染などの環境問題が深刻化しており、プラスチックの削減や資源の再利用推進の動きが世界的に加速している。印刷業界でも、ノベルティの印刷に使用するプラスチック削減や代替素材の導入など、脱プラスチック化が進んでいる。

こうした中で、愛知県名古屋市の老舗印刷会社である株式会社近藤印刷は、強みだったフィルム印刷から「エシカル印刷」に経営の軸を転換。風土づくり事業を新たに立ち上げ、地域における循環経済の構築を目指す取り組みを展開する。

「当社の主力事業はクリアファイル印刷でしたが、2020年から加速した脱プラスチックの流れでプラスチック製品が社会悪と見なされるようになり、注文が一気に激減。PRで配られるクリアファイルは最終的に捨てられることも多く、大量生産・大量消費の片棒を担ぐような仕事はしたくないと感じ、会社存続のために経営の方針転換を決断しました」と、代表取締役社長の近藤起久子氏は語る。

事業変革にあたって、同社は環境に配慮した素材を用いたグッズ制作ができる工房や、SDGs検定に合格した社員らを中心にしたエシカル推進室を開設。ものづくり体験や工場見学ができる環境を整え、再生PET素材や間伐材を用いたしおりやキーホルダー、捨てられる衣類の繊維をアップサイクルした紙を使用して制作したノートなど、エシカルグッズの開発に取り組んでいる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米アップル、独禁法訴訟を退けるよう求める iPho

ビジネス

マイクロン、24年設備投資見通し引き上げ AI関連

ビジネス

機械受注3月は前月比2.9%増、判断「持ち直しの動

ビジネス

あと数カ月インフレ鈍化を確認する必要=米クリーブラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「目を閉じれば雨の音...」テントにたかる「害虫」の大群、キャンパーが撮影した「トラウマ映像」にネット戦慄

  • 4

    9年前と今で何も変わらない...ゼンデイヤの「卒アル…

  • 5

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 6

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 7

    高速鉄道熱に沸くアメリカ、先行する中国を追う──新…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    「韓国は詐欺大国」の事情とは

  • 10

    中国・ロシアのスパイとして法廷に立つ「愛国者」──…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 10

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中