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「エシカル印刷」へ 近藤印刷が切り拓く地域共創×循環経済の道

2024年1月12日(金)11時49分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

印刷会社の枠を越えた、地域を巻き込むサステナビリティ事業をスタート

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全長約8.2キロの中川運河は、名古屋の工業都市としての発展のため昭和初期に開通した。最盛期には「東洋一の大運河」と呼ばれた

近藤印刷の位置する中川運河エリアは、名古屋港と市中心部を結ぶ水運物流の軸として、古くから名古屋の産業を支えてきた地域だ。同社は循環経済への取り組みの一環として、中川運河地域の企業や行政、学生を巻き込んだサステナビリティ学習事業「中川運河学習室」など、地域共創による循環経済に貢献する取り組みも展開している。

中川運河学習室のほか、中川運河の文化保全及び地域交流の場として「中川運河しおりのアトリエ」や、地域の工場などから出る廃材を地域の社会課題解決メッセージを載せた製品に生まれ変わらせるアップサイクルサービス「&ondo」も開始した。

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製品加工をした際に出る端材や廃材を活用したアップサイクルによるオリジナルのノベルティ・グッズの制作に取り組む

「育ててもらった町に恩返しするような気持ちでスタートしましたが、始めてみると、『地域のサステナブル』という共通項が、地域の外へと連れ出してくれ、国内外の多くの人たちと出会うこともできました」と、近藤氏は話す。

こうした同社の取り組みは、SBT認証(パリ協定と整合性のある温室効果ガス排出削減目標を立てていることを示す国際認証)などの各種認証の取得や、愛知県SDGs登録制度「あいちSDGsパートナーズ」への登録、名古屋市SDGs推進プラットフォーム会員などへと繋がっており、持続可能な経営の推進企業として外部からも高い評価を得ている。

近藤印刷の新たな挑戦は、脱プラスチック化の中で迎えた危機をチャンスへと変えるものであった。ポジティブで柔軟性のある未来思考の企業が起こした名古屋の印刷業界における一つの変革は、環境対応への事業転換を迫られている各国の老舗企業や地域共創への取り組みに共通した気づきを与えるものとなるだろう。


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