最新記事
SDGsパートナー

新築だけでなく既存のビルもZEB化し「ネットゼロ」へ...パナソニックの低コスト省エネ&創電技術

2023年12月28日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
パナソニック京都ビル

改修により「ZEB Ready」となったパナソニック京都ビル

<建物単位での脱炭素の取り組みが広がりつつある。既存建築物のZEB化にはハードルがあったが、低コストで実現させる取り組みも始まっている>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

SDGsの目標7は「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」だ。世界各地で2050年までのネットゼロ、すなわち温室効果ガス排出量を実質ゼロにするための努力が続くなか、エネルギーを起源とするCO2の排出削減は喫緊の課題となっている。

その削減努力は国単位、自治体単位、あるいは個々の企業で行われたりしているが、なかには、オフィスビルやマンションなど建物を単位としたネットゼロの取り組みもある。

建物のエネルギー消費量を削減し、太陽光発電などの「創電」を組み合わせて、建物内で使うエネルギーを実質ゼロにする――このネットゼロ達成を目指す建物が、Net Zero Energy Building、通称「ZEB(ゼブ)」だ。住宅の場合はNet Zero Energy House(ZEH)と呼ばれる。

欧米ではZEBが普及しつつあり、日本でも近年、新築の建物をZEB化する事例は増えつつある。

だが、既存建築物のZEB化改修となると日本では先行事例があまりない。なぜなら、すでにそこで働く人や生活する人、利用する人がいるため長期の改修工事が困難であり、コスト面や既設の設備システムを大きく変えることに難色を示す不動産オーナーが少なくないからだ。

それでも、既存建築物のZEB化にはメリットもある。外皮性能の向上や高効率設備の導入などにより運用時のエネルギーコストを削減すれば、将来的なコスト低減が期待できる。

また、室内環境の改善により、従業員や利用者の健康・快適性(ウェルネス)を向上。さらに、世界的に脱炭素に向けた動きが加速する今、地球環境に配慮した建物は不動産価値の向上にもつながるだろう。

建築主や不動産オーナーに対し、ZEB化の業務支援(建築・設備の設計・施工・コンサル等)を行うZEBプランナーという資格がある。後発ながら、省エネ設備から太陽光発電、蓄電池までを手掛ける大手電機メーカーならではの強みを発揮しているZEBプランナーがパナソニックだ。

2023年11月には、パナソニック エレクトリックワークス社が京都市との公民連携を発表した。両者は互いのリソースを持ち寄り、既存建築物の外皮改修を行わずに低コストでZEB化改修を実現するモデル事例を生み出していく。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米小売売上高4月は前月比横ばい、ガソリン高騰で他支

ワールド

スロバキア首相銃撃され「生命の危機」、犯人拘束 動

ビジネス

米金利、現行水準に「もう少し長く」維持する必要=ミ

ワールド

バイデン・トランプ氏、6月27日にTV討論会で対決
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中