最新記事
SDGsパートナー

「ホテル屋上で蜂を育てています」 ザ・サウザンド京都の生物多様性を意識した取り組み

2023年11月30日(木)14時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
養蜂に勤しむザ・サウザンド京都の社員

ホテル屋上で養蜂に勤しむザ・サウザンド京都の社員

<身近な気候変動や生物多様性の問題にどう取り組むか。一人の若手社員の言葉から、京都駅前での都市養蜂プロジェクトが始まった>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。


◇ ◇ ◇
  

ミツバチは植物の生育と繁栄に欠かせない存在だ。そのミツバチが世界各地で減少していることが報告され、私たちの食生活への影響も叫ばれる中、古都・京都の中心部でユニークな「都市養蜂プロジェクト」が立ち上げられた。舞台は、京都駅前に位置するホテル「ザ・サウザンド京都」の屋上である。

都市部にあるホテルの屋上で、社員が自らの手でミツバチを飼育

多くの植物は、昆虫が花粉を運んで受粉することで繁殖する。特にミツバチは世界の主要な農作物の70種以上の受粉を支えていると言われており、人間にとっては欠かせない存在だ。しかし現在、気候変動による生息地の減少などにより、世界中でミツバチが激減しており、食糧生産への影響が危惧されている。

こうした中で、身近な気候変動や生物多様性保全の問題を意識し、ザ・サウザンド京都が開始したのが「都市養蜂プロジェクト」だった。

このプロジェクトは、同ホテルの屋上でミツバチを飼育し、副産物としてのはちみつを採取するという取り組み。ミツバチを育てることで、生態系や食文化、地球環境の保全に繋げるという狙いがある。

一人の若手社員が発した「屋上で蜂を飼いませんか?」というひと言をきっかけに、同社の社員でプロジェクトメンバーを結成。日々の業務と並行しつつ、養蜂家からの電話やメールでのアドバイスをもとに、自分たちの手でミツバチを飼育している。年に2回は岐阜県にある養蜂家のもとで研修を実施し、シーズン毎に勉強会を開催するなどして、養蜂の技術と知識を磨いているという。

屋上で採取したはちみつは、ホテルレストランの食材として提供したり、瓶詰めにして商品として販売することで、地産地消にも繋げている。

ザ・サウザンド京都屋上で採れたはちみつ

ザ・サウザンド京都屋上で採れたはちみつ

2022年には、ザ・サウザンド京都のはちみつが、世界に誇れる日本文化を未来の世代に向けて発信する「京都(関西)サステナブル展in Brooklyn」にも出品された。地球環境に配慮したサステナブルな商品として高い評価を受けている。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英BP、ブラジルの大型油田発見で提携先模索へ

ビジネス

EV分野の脱中国化で欧州と南アの協力必要、BMW幹

ビジネス

日銀版需給ギャップ、4─6月期は-0.32% 21

ワールド

独ミュンヘン空港、ドローン目撃で一時閉鎖後に運航再
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 4
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭…
  • 5
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 6
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 7
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 8
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 9
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 10
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中