最新記事
SDGsパートナー

自給自足の自然エネルギーでホテルを運営。星野リゾート 軽井沢ホテルの環境経営とは

2023年11月6日(月)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

約100年前から始まる星野リゾートの環境経営の精神

sub2.jpg
1929年(昭和4年)自家用水力発電 完成当時の写真.

星のや軽井沢の環境経営の原点は、前身となる「星野温泉旅館」の創業までさかのぼる。星野温泉旅館は1914年に開業したが、当時は電力の供給が十分ではなく、1929年に日本で初めて本格的な自家用小型水力発電を導入し、約8割の電力を自給して運営していた。同時に、日本野鳥の会創設者の中西悟堂氏から「野鳥は食べて楽しむものではない。見て楽しむものだ」という教えを受け、生態系の保全活動を開始。その結果、1974年に隣接する国有林が「国設軽井沢野鳥の森」に指定された。

「このような開業当初から連綿と引き継がれている『環境との共生』という考えは、星のや軽井沢をはじめ、星野リゾート全体にも受け継がれています。自然環境があることがリゾート最大の魅力であるため、環境経営を持続可能にすることが、経営的にも非常に大きな競争力になると考えています」と、赤羽氏は語る。

星のや軽井沢を運営する星野リゾートは、社会価値と経済的価値の両立を目指す「CSV(Creating Shared Value)経営」を重要視しており、CSV経営を促進するためのフレームワークとしてSDGsを位置づけ、全国の施設でさまざまな活動に取り組んでいる。

昨今、観光産業はエネルギー消費や廃棄物が多いことから、世界的に環境に配慮した持続可能な経営が求められており、アメリカやノルウェーではエネルギーを自給自足する宿泊施設も出てきている。こうした中で、約100年前から続く星のや軽井沢の環境経営は、世界の先駆的な事例として、今後の取り組みにも注目が集まるだろう。

ニューズウィーク日本版 Newsweek Exclusive 昭和100年
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月12日/19日号(8月5日発売)は「Newsweek Exclusive 昭和100年」特集。現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

物価と雇用両方の目標にリスク、バランス取る必要=米

ワールド

インド、米国製兵器調達計画を一時停止 関税に反発=

ビジネス

情報BOX:大手証券、9月利下げ予想を維持 低調な

ワールド

米ロ、ロシアによるウクライナ占領地確定で停戦合意模
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何か?...「うつ病」との関係から予防策まで
  • 3
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トップ5に入っている国はどこ?
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 6
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 7
    パリの「永遠の炎」を使って「煙草に火をつけた」モ…
  • 8
    「ホラー映画かと...」父親のアレを顔に塗って寝てし…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 8
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中