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秋雨

「秋雨が降ると気分が落ち込むのはなぜ?」医師が教える季節メンタルの整え方

2025年10月31日(金)18時01分
池井佑丞(産業医)*PRESIDENT Onlineからの転載

気圧の変化が自律神経に影響を与える

秋は日照時間の減少に加え、台風や前線などによる気圧の変化が起こりやすく、これが自律神経系の調整に影響を与えるストレス因子として作用する可能性も指摘されています。

自律神経は交感神経と副交感神経から成り、血圧や心拍、体温調整などを司っています。通常は外的刺激や体内の変化に応じて両者のバランスを取っていますが、急激な気圧の変化が生じると、この調整機能に負担がかかります。


約5万4000人の心拍データを解析した大規模研究では、通常よりも気圧が高くなると、男性では約3.8%、女性では約2.4%、交感神経優位となる人が増加することが報告されており、気圧変動と自律神経活動との関連が示されました(Komazawa et al., 2016)。

自律神経活動が乱れると、不安感や睡眠の質の低下、集中力の低下、慢性的な疲労感といった症状が現れやすくなることが複数の研究で示されており、こうした変化はメンタルヘルスの不調につながるだけでなく、仕事の効率や判断力にも影響を及ぼす可能性があります(Correia et al., 2023;Thayer et al., 2009;Escorihuela et al., 2020)。

気圧が低下するとストレスレベルが上昇する

さらに、気圧変動とメンタルヘルスとの直接的な関連を示す研究も報告されています。ヨーロッパで行われた調査では、気圧低下が観察された2日後に男性の抑うつ症状が28%増加したことが示されており、気圧変動が抑うつの発症リスクに影響を与えることが示唆されました(Brazienė et al., 2022)。また別の研究では、気圧が低下するとストレスレベルが上昇することも報告されており、心理的ストレスとの関連性も明らかになっています(Fagerlund et al., 2019)。

このように、秋に特徴的な気圧の不安定さは、自律神経の働きに影響を及ぼし、心身のコンディションや気分の変化、さらには抑うつやストレスの増大にも関与し得る「見えにくいリスク要因」として作用しているのです。

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